精神的にしんどいのは自分だけじゃないかと不安に思っていますか??~意外と多い妊婦さんの精神疾患歴・精神的な症状歴~

妊娠届時にアンケートを書いていただいていると以前記事で紹介させていただきました。

現在勤務している市町村で感じているのが、妊娠届出時のアンケートでの「精神疾患歴(うつ病や適応障害や不安症、パニック障害など)がある」または「病院には行っていないが精神的な症状(気分の落ち込み・涙もろい・動悸など)があった」というところに該当する人が意外と多いんだなぁということに少し驚きました。

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市町村によって面談で聞くポイントが違う

市町村によってアンケートで聞くポイントは様々なのですが、今勤務している市町村では必ず精神疾患歴や病院に通っていなくても精神的な症状があった(気分の浮き沈み・涙もろい・動悸がするなど)ことを聞いています。例え「ない」に丸をしていても、口頭にて質問します。以前勤めていた市町村では精神疾患歴や精神的な症状歴は質問としてはありましたが、その質問に対して「ない」というところに丸をしていたら、わざわざ口頭で再度質問はしませんでした。しかし「ない」に丸をしていても、聞いてみると意外と「実は以前にあったんです…」と返事をする方がいらっしゃいます。初対面でもらったアンケートでそのような質問に「はい」と丸をするのは勇気がいることなので、アンケートには「ない」に丸をしても、話せるようであれば話してもらった方が私たちとしてはありがたいです。

どうして精神疾患歴や精神的な症状があったかどうか質問するのか?

質問する理由としてはやはり、妊娠中や出産後に精神的にしんどくなりやすい可能性があるからです。もちろんそうならない方もいらっしゃるので、一概には言えませんが、念のためお聞きしています。精神疾患歴や精神的なしんどさは、人によってはアンケートに記入したとしても、聞かれたくない方もいらっしゃるので、様子をうかがいながら、「辛いことをお聞きして申し訳ないのですが…」と声をかけて詳細を聞かせていただいています。しんどくなった理由やどれくらいの期間しんどかったのか、ということを聞いています。そして産前産後でしんどくなりやすそうな場合であれば、負担を軽減するサービスに繋げたり、産前産後の様子をお伺いすることもあります。

精神疾患歴や精神的な症状がある人は意外と多いと思う

現在の市町村で働いていて、意外と精神疾患歴や精神的な症状がある人は多いのだなぁと思います。精神疾患歴や精神的な症状があった方でも、人に言いたくなくて敢えて書いていない方もいらっしゃると思うので、実際はもう少しいらっしゃるのではないかなと思います。原因は学校や職場の人間関係であったり、育児であったり、皆さんそれぞれです。なんとなく人には知られたくないという方もいますが、それはそれでいいと思います。人には言いづらいことです。ただ、「妊娠したので心療内科や精神科で処方されている薬を勝手にやめています」という方が時々いらっしゃいます。子どもに影響がないか心配になる気持ちはわかるのですが、内服可能な薬である場合もあるので、内服している場合は必ず主治医と相談することをお勧めします。妊娠中や産後は、気持ちが不安定になりやすくなるので、心療内科や精神科の主治医だけでなく、産婦人科の主治医の先生にもできるだけお伝えした方が体調管理はしやすいと思います

アンケートで精神面に関して話すか迷うとき

初産婦さんで今まで家庭や仕事などでしんどくなった経験や、経産婦さんで産後しんどかっただけという方で、そんな言っていいのかな?大袈裟かな?と思って迷う方がいらっしゃるかもしれません。迷うときは是非お伝えしていただけたらと思います。逆に「言いたくない」という思いがはっきりしている方は、言わなくていいと思います。ただ、しんどくなりそうなときには早めに連絡をいただけたら、しんどくならないようにするためのサービスをお伝えできると思うので、是非遠慮なく電話やメール、来所していただけたらと思います。

精神的な症状などは環境面等の色んな要因で起こります。なので「弱い自分がダメ」とか「自分が情けない」などの感情を持つ必要ありません。可能であれば、自分を守れるようにお話していただけたらと思います。

私自身も今まで育児していてしんどい時が2度あった

実は、私も少し産後うつのような症状が2度ほどあり、心療内科を受診した経過があります。1回目は第1子を出産し、第1子が生後4か月~6か月くらいの頃、2回目は第2子を出産して1年ほどでした。1回目は見知らぬ土地で、実家は遠く、夫は日付を超えて帰宅だったのでワンオペ育児の状況でした。精神的にも身体的にもしんどい中、義実家との関係がうまくいかなかったことが決定打となり、産後うつの状態になりました。数人友人がいて、悩みを聞いてもらっていたのですが、ふとした瞬間に涙が出てきたり、しんどさで憂鬱な気持ちになっていました。義実家のことで悩んでいたので、夫にも相談できず、でもこのままではダメだと思い、夫にばれないように自費で心療内科をかかりました(当時は夫の扶養に入っていたので健康保険を使用すると夫に通知がくるため)。医師は男性で、おじいちゃんくらいの年代でしたが、淡々と話を聞いてくれ、自費だったこともあり、ゆっくり話も聞いてくれました。心が落ち着き、引っ越しを機に環境が変わり、精神的に安定してきました。

精神的なしんどさを経験すると、同じような状況に陥った際に再度しんどくなることがあります。それが私は第2子を出産した時でした。実家は以前より近くなったのですが、それでも電車で2時間ほどの距離。そして私は仕事で育休がないパート職員だったこと、保健師として仕事をがんばりたいという気持ちがあったことで、第2子出産後は生後数か月で職場復帰をしました。仕事もプライベートも充実した時間だったのですが、やはり体はしんどかったのか、第2子が1歳になる頃にふと涙が止まらなくなることがありました。おそらく月経も再開していたのでPMS(月経前症候群)もあり、その影響もあったのかもしれません。その時に「あの時と同じだ…」と思い、心療内科を受診しました。医師は女性で、同年代を育児をされている方だったので、共感して話を聞いてくれました。数か月間、ふとしんどくなった時は仕事が休みの日に通院していました。幸いその時は夫にもしんどさを伝えれていたこと、保育園の先生がしんどい時にいつも話を聞いてくれて、流涙する私を受け止めてくれていたのが私の心の安定でした。なので症状は数か月で落ち着き、その後は保育園の先生も気にかかけてくださって、いろんな人が支えてくださってたので今の私がいるんだなと思っています。

自分自身がしんどくなった経験をして感じたこと

自分が心療内科に通ったりした経験で感じたことは、

  • しんどくなった時は一人で抱えず誰かに相談する
  • できるだけ心療内科を受診する(専門職に関わってもらう方が良い)
  • 心療内科は予約がいっぱいの病院が多いので、早めに予約する(受診するか迷っている時はとりあえず予約する)
  • 選ぶ際は「産後うつ」をHPに載せている病院や女医さんを選ぶのが無難(もちろん男性医師でも産後のしんどさを理解してくださる方はいらっしゃいますが、稀にそうでない医師もいるので…)
  • 保育園や保健センターなど自分の身の回りに悩みをいつでも聞いてくれる人を探しておく

というところです。

誰でも一人で妊娠や出産、育児をしていくのは難しいです。様々な環境で人はしんどくなりやすくなるので、周りを頼って、できるだけ負担を軽減できたらと思います。

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