HPVワクチンについて

先日、HPV(ヒトパピローマウイルス)のワクチンを主人と共に接種してきました。私は30代前半で既婚者なのになぜHPVを打ったのか?HPVワクチンについて、私の経験も含めてお話ししていきたいと思います。

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そもそもHPVってなに?

HPVとはヒトパピローマウイルスと言うウイルスで、HPVに感染すると、よく言われる子宮頸がんの他に中咽頭がん・陰茎がん・肛門がん・膣がん・外陰がんの原因となります。これを見てもらうと、女性だけでなく男性のがんの原因にもなるということが分かります。また、HPVは男女関係なく罹る尖圭コンジローマという感染症の原因にもなります。そして、HPVによるがんや尖圭コンジローマ(尖圭コンジローマは4価・9価のワクチンで防げます)は、ワクチンによって予防できる数少ない疾患でもあります。

私自身もHPVの認識は低かった!

HPVワクチンが始まったころ、私の記憶では「性交渉前に打たないと意味がない。」という認識で、そのころは恐らく対象外の年齢だったと思います、ワクチン接種は他人事でした。
私は大学を卒業した後、婦人科の病棟看護師として働きました。そこで子宮頸がんの患者さんによく接していました。

数年の勤務で、まだ未婚だったのですが、辛い状況に何度か立ち合いました。
まだ未就園児の子どもがいる中で亡くなった母、出産後に第2子を望めなかった母、結婚後に子どもを望む前に亡くなった妻、結婚前に子どもを望めなかった妻・・・
自分に子どもがいる今、子どもを残してこの世を去った母を思い出すと、子どもが居ながら手術・放射線治療・抗がん剤の大変な闘病生活を送る辛さ、成長した子どもの姿を見れない悲しさ、子どもたちの将来の不安を思う気持ち、とても辛いものだったと思います。
入院時に、患者さんが、「子どもを残して自分が死んでしまう」という辛い気持ちを泣きながら話してくれたことがあります。未婚であった私も、辛くて一緒に泣いた覚えがあります。

今回、「コロナのワクチン接種後に起きた有害事象などが、あたかも因果関係のある副反応かのように断定された報道」がよく見られましたが、正確な情報をたくさんの医療関係者が発信しており、その情報を得てたくさんの方が今、コロナのワクチンを接種しました。
この経過を経て、HPVのワクチンもそうあるべきであると思います。報道されてきた有害事象の多くは、HPVのワクチンとは因果関係がないということはすでに明らかになっています。

HPVによる子宮頸がんなどで辛い経験をする人が少なくなるように、HPVワクチンを私は勧めたいと思い、この記事を書こうと思いました。

本当の被害者
もちろん報道されているような様々な症状に苦しんでいた女性たちがいるのは事実なのでしょう。しかし、そういった症状をきたしうる疾患は他にも様々あり、それを「ワクチンが原因」だと断定するのには相当無理があるのです。他の原因だったものを「ワクチンが原因」と勝手に決めつけられてしまい、適切な治療を受ける機会を失った女性たちが本当は一番の被害者なのかもしれません…

副反応は大丈夫?

もちろん注射を打つので、注射部位の痛みや腫れなどはあります。注射の痛みや不安で迷走神経反射で失神は可能性としてあります。私の経験でいうと、コロナのワクチンより注射部位が痛くない時もあれば、2日ほど痛かったこともあります。
ニュースなどで報告されていたような、慢性的な痛みや運動機能の障害などといった「多様な症状」はHPVワクチンとは因果関係を示す根拠ががないと発表されています。
接種後になんらかの症状が出ても、相談窓口が設置されていますので、安心して打っていただけたらと思います。

子宮頸がんは検診で防げる?

HPVワクチンの副反応を心配される方には「子宮頸がんは検診で防げる」という方がいます。もちろん子宮頸がん検診の重要性は言うまでもありません。子宮頸がん検診では子宮頸がんの前がん病変や初期の病変を見つけることができます。しかし、万が一そのような病変があった場合はそれを切除して終わりなのですが、実際には長期間外来でフォローしていくことになります。「がん」という病気は風邪とは違って、いったん発症してしまうとたとえ「治って」も再発リスクは一生付きまといます。つまり、たとえ検診で早期発見できたとしても、一生再発リスクと付き合っていく必要が出てきてしまうのです。HPVワクチンで発症を予防することができれば、そのようなことも防ぐことができます。

検診も子宮頸がんによる死亡を防ぐためには絶対必要なものですが、HPVワクチンは検診とは次元の違うものなのです。

既婚で性交渉の経験もあるのに、打つ意味があるの?

HPVワクチンは、できれば性交渉前(HPVに感染していない状態)に打つのが理想です。しかし、性交渉してしまった、効果はないのか?
いえ、そんなことはありません。効果はあります。HPVウイルスの種類は多いので、もしパートナーが変わって、感染していない種類のウイルスを持っていたら、性交渉でそれを受け取ることになります。パートナー間で感染を繰り返すこともあります。また、既婚者であっても、最近はパートナーとの関係が多様化しているため、パートナーがずっと同じというわけでもありません。

自治体からの勧奨はまだないけれど、打っても大丈夫?

現在、HPVワクチンの接種を勧奨するという方向性が出てきました。とても素晴らしいと思います。自治体は準備段階に入っていると思います。接種勧奨の通知には少し時間がかかると思いますので、受けると決めている方は取りに行った方が早いと思います。
私がいる自治体では、接種権を取りに来る方が、格段に増えました。もちろん接種するか悩む保護者もいて、相談を受けながら、「是非打ってください!」と思っています。

ワクチンビジネス?ワクチンは誰かの陰謀?

HPVワクチンの接種を進めると、「何か裏があるのでは?」と思う方もいるかも知れません。HPVワクチンを打つことで製薬会社や医者が儲かるワクチンビジネスのカモにされているだけではないかと不安に思う方もいるのではないでしょうか?副反応のことをニュースで聞くと、なおさらですよね?

あんな
あんな

HPVワクチンは誰かの陰謀なのでしょうか?

でも、本当にそんなことあるのでしょうか?みんながワクチンを打ってくれたら得する人はいるのでしょうか?「ワクチンを作っている製薬会社はみんながワクチンを打ってくれたら大儲け」は本当でしょうか?ワクチンを打つ産婦人科医はウハウハでしょうか?

順番に考えてみましょう。確かにワクチンを製造している会社は利益が出ると思います。でも、それによって子宮頸がんが減ってしまったら、抗がん剤やそれに関する薬剤を作っている製薬会社は利益が減ってしまいますよね。がん患者には痛み止めなど色々な薬が必要になるのですが、そのがん患者が減ってしまったら製薬会社としては大損ではないでしょうか?

そして、がん患者は手術やその後の経過観察で長期間病院にかかる必要があります。つまり、病院にとっては言わば「お得意様」になるのですが、ワクチンを打つ人が多ければ、3回程度の接種で終わってしまうので、「お得意様」を失う結果となります。

このように考えてみるとワクチンを打っても製薬会社や医者が儲かるわけではないことがわかりますよね。それでも、みんなワクチン接種を勧めていますよね?決して利害関係から勧めているわけではないことがよくわかるのではないでしょうか?

子宮頸がんで苦しむ人が減るのは医療従事者にとっても嬉しいことなのです。

HPVワクチンの情報をわかりやすく提供されているサイトが「みんパピ」です。

コロナのワクチンも、HPVのワクチンも、最初は正確でない情報が出てきて、一般の方々は不安にあおられたと思います。「みんパピ」では、多くの医師が様々な疑問に答えたりしているので、受ける前に是非見ていただけたらと思います。

HPVワクチンは、性交渉前だととても有効です。公費(無料)で受けれるのであれば一番良いのですが、公費の対象が超えた場合は、経済的なことを考えた上で、できたら打った方が良いかと思います。国が日本脳炎のように特例対象の制度(日本脳炎も勧奨を差し押さえしていた時期があるので、ある一定の年代は現在公費で受けれます)を作ってくれたらとても嬉しいですね。

海外では9価のワクチンを、定期接種(無料)で打っています。それに伴い、子宮頸がんも割合も低下しています。日本では一度勧奨から外れたHPVワクチンですが、正確な情報を得て、子どもだけでなく、大人も命を守ってください。

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