健診でよく聞かれるシリーズをやっています。1歳6か月児健診・2歳6か月児歯科健診・3歳6か月児健診で分けてお届けするシリーズにしています。
このシリーズは私の経験を基にした個人的な意見になります。私自身が経験して感じたこと、医学的なことを踏まえて、いつも健診では保護者の質問に答えています。経験豊富な保健師さんはたくさんいるおり、自分に合ったアドバイスを聞けるかもしれないので、是非健診でお話する保健師さんに聞いてみてくださいね☆
子どもは歯磨きを嫌がるもの
1歳6か月児健診ではよく、

子どもが歯磨きを嫌がるのですが…仕上げ磨きは羽交い絞めにしてでもした方がいいのですか??
と聞かれることがあります。1歳くらいまでは機嫌よく仕上げ磨きをしてくれていた子も、1歳を過ぎると仕上げ磨きをすると号泣して暴れることはよくあり、たいていの保護者が悩んでいます。
わが子も1歳くらいまでは仕上げ磨きをスムーズにさせてくれていましたが、1歳を過ぎて2歳過ぎくらいまで仕上げ磨きをする際は泣いていました。泣いていてかわいそう、ここまでしてしないといけないのか…とちょっと後ろめたさも出てくると思います。しかし、



羽交い絞めにしてでも。仕上げ磨きはしましょう!
と、保護者の方には伝えています。ただ、そのように悩んでいる保護者の方は、その健診で歯科衛生士さんにブラッシングの仕方を教えていただくのも良いかと思います。私は手と足を使って子どもを羽交い絞めにして仕上げ磨きをしていましたが、



子どもが嫌がらないように仕上げ磨きをする方法ってあるんですか??
という保護者の方の疑問に対して、一緒に歯科衛生士さんに聞きに行ったことがあるんです。そしたら歯科衛生士さんは、



ここはこうやって歯ブラシの当て方をしてみたり、歯磨きを始める場所をここからするはどうでしょうか?
と実際に子どもに寝転んでもらって試していて、子どもも泣かずに歯科衛生士さんの仕上げ磨きを受け入れていました。



保護者の方と一緒に見て感動しました!私も自分の子どもの時に歯科衛生士さんに相談したらよかったなと思いました。
とはいうものの、仕上げ磨きをする相手が保護者と他人では子どもの対応も変わってきて、保護者だと甘えて泣くこともあるので、その時は羽交い絞めにしても仕方がないと思います。
虫歯になってしまうより断然良い
羽交い絞めにしてしまうのはかわいそう…と磨かずに1歳6か月児ですでに虫歯がいる子どもが稀にいます。ですが、虫歯を作ってしまうと、
- 永久歯にも影響が出てくる可能性がある
- 子どもが小さければ小さいほど、治療が難しい
- 治療をするのにまず歯医者さんに慣れるというスモールステップを踏んでいく必要があるので、治療にかなり時間がかかることがある
- 治療する分、お金がかかる
というところで、虫歯があるよりはない方が断然良いです。
3歳6か月児健診までに虫歯がある子どもはどれくらいいるのか?
3歳6か月児健診までに虫歯がある子はどれくらいいるのかというと、1回80人くらいの健診で、0~2人くらいです。1歳6か月児健診で虫歯があるのは、非常に稀ですが、ある子はいます。低年齢の虫歯に関しては、毎日の仕上げ磨きがポイントになってきます。家事・仕事・育児で忙しいのはとてもわかりますし、夕食後の仕上げ磨きなんて、保護者が一番しんどい時間帯になるのでその大変さはとてもわかります。ただ、夕食後の仕上げ磨きは一日の中で一番重要な歯磨きなので、それを乗り越えるために何か家事を1つ、手を抜いてください。理想は朝昼夜すべて仕上げ磨きをするのが理想ではあります。けれど難しい場合もあるので、せめて朝少し仕上げ磨きをして、夕方しっかり仕上げ磨きをするという感じで、していただけたらと思います。
保育園では、保育士さんが一人ひとり仕上げ磨きをしています。そういえば思い返すと保育園で保育士さんに仕上げ磨きをしてもらっていますが、泣いてる子は少ない印象です。家だとどうしても保護者に甘えてしまったり、遊びたいという気持ちも強かったりするので、泣いてしまうのは仕方がないかなと思います。
うがいができない時期はどうするのか?
たまに聞かれるのが、



うがいができないんですけど、うがいができないときは歯磨きの後、どうしたらいいんですか?
私は子どもを産む前に保育園看護師をしていた経験があるので知っていましたが、一般的な方はうがいができない時期の歯磨き後のうがいはどうしたらいいのか?と、わからないのは当たり前だと思います。保育園では0~1歳児クラスの子どもたちは、うがいの代わりにお白湯を飲んでいました。1歳児クラスの後半になってくると。遊びでうがいをし始めて、練習を重ねて上手にうがいができるようになってきます。もしお家で練習するときは、プラスチックのコップにお白湯を入れて、お風呂ですると、楽しく、水しぶきも気にせず練習できるのでお勧めです。
歯磨きでの事故に注意!
歯磨きで注意してほしいのが、歯ブラシで喉をついてしまうことです。
よく歯ブラシで喉をつかないようにするこんな感じのガードがついた歯ブラシがあります。
もちろん事故予防としてはいいのですが、小さいころから
- 歯ブラシは座ってする
- 歯ブラシをくわえながら歩かない
というところを子どもにルールとして守ってもらうことが大きくなっても事故を予防するという点では必要なので、声掛けは普段からした方がいいと思います。



なので保育園では、0~1歳児クラスあたりでは、ベビーチェアから出る前に歯磨きをしています。2歳児クラスになると自分で歩いて洗面所に行って歯磨きをしてもらっていますが、基本的に歯ブラシをくわえながら遊ぼうとすると、必ず保育士さんが注意しています。
フッ素はきちんと適切な量を使う
歯ブラシを使用する際に歯磨き粉を使用するかと思います。歯磨き粉の中には虫歯を予防するためのフッ素が含まれているものが多いです。ただ、フッ素も正しい量が入っていないと効果が薄れてしまうので、必ずフッ素の量が歯磨き粉に数字として書かれているか、その数字が年齢と適切なのかを確認して購入した方が、効果的かと思います(歯磨き粉によるかもしれませんが、フッ素の含有量を書いていない歯磨き粉は、必要なフッ素の量が入っていないと思った方がいいと思います)。





上記の記事はフッ素の含有量や歯ブラシにつける量がかかれていて、とても分かりやすいので是非見てみてください。こちらの記事は、歯科医師の先生方が何人か集まって、適切な医療情報を発信していらっしゃるので、こちらのX(旧Twitter)も見てみてください。



泣く子を毎日3回歯磨きするのは、大変かと思います。ですが虫歯はやはりない方がいいので、多少泣いていても仕上げ磨きはしっかりしていただけたら嬉しいです。
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