乳幼児健診をしていると、たまに夫婦喧嘩や夫婦で意見が違って困っています、というお話が出ます。基本的に乳幼児健診では、子どもの成長以外に、保護者の体調面、夫婦間についても相談が出るので、夫婦喧嘩や夫婦の意見の違いに関しての悩みは、よく出てくる話です。子どもの成長にも影響してくるので、困っている場合は是非保健師に相談してほしいと思っています。乳幼児健診は、そういう話題を出しやすい場所かなと思うので、そのような悩みがある場合、是非相談してほしいのですが…
夫婦喧嘩や意見の違いについての相談に関して、保健師がどう対応しはじめるか、悩む状況がある
乳幼児健診で問診が始まり、「お話聞きますね」と問診票を見て、自由記載欄に夫婦の意見の違いなどに困っていると記載があった時、問診票を書かれた保護者本人が一人で来てくださっているなら、特に何も問題がなく、「どんな感じで困っていますか?」とスムーズに対応できるのですが、それ以外の状況だったら出だしをどうするかとても悩みます。
例えば…
- 夫婦揃って健診に来ていて、問診票を書いていない方の保護者がその夫婦の意見の違いについて悩んでいる事を知っているか不明な時
- 問診票を書いた保護者ではない方の保護者が健診に来て、その問診に記入されている夫婦の意見の違いの内容を全く知らない時
この状況の時は、出だしをどうするか…と悩みます。
ちなみに今まで一番困った状況は
- 問診票を書いた保護者が健診に来所し、パートナーに内緒で夫婦の意見の違いについて話をしたくて話をしていたら、突如もう一人の保護者が途中で突然来所し、その場が修羅場になりそうになった
という状況でした…。問診票を書いた保護者は、パートナーが来ない予定で問診票に夫婦の意見の違いについて書いて相談していたのに、まさかの用事が終わったからとパートナーが問診の途中で突然登場しました。問診票を書いた保護者はパートナーに内緒で相談していたのでとても焦り、その表情を読み取って話を中断したことがあります。
ご夫婦揃って健診に来ていて、夫婦の意見の違いについて問診に書いてあった時
保健師によると思うのですが、基本的にご夫婦で揃って来ている場合は、お互いが夫婦の意見の違いについて認識していることを前提にお話はします。ただ、ご夫婦の雰囲気や、内容によっては、少し躊躇することもあり、ここでは話さずに後日に連絡した方がいいのかな…と思うこともあり、もし問診票を記入した保護者が一人になる瞬間があれば、その時にご夫婦二人がそろっている前で話をしていいのか、確認することもあります。
夫婦はそれぞれ育ってきた環境が違うので、価値観が違います。意見が違って当たり前かと思うのですが、それが保護者のメンタルや子どもに影響するのであれば、話し合う必要があるかと思います。夫婦間で話し合いをしても難しい場合は、第3者が介入する方が解決しやすいかもしれないので、保健師や必要時そのほかの職種を含めて話をしたりします。
相談内容の中には、単なる日常である些細な夫婦の意見の違いだけではなく、DV(ドメスティックバイオレンス)に当たる内容もあります。夫婦の意見の違いが、単なる些細な事ではなく、DVであると判断できているのであれば、健診を待たずにその時に保健センターへ電話して、相談してほしいと思います。
問診で問診票を記入した保護者ではない方の保護者が来て、意見の違いについて全く知らないとき
問診票を記入した保護者ではない方の保護者が来て、夫婦間の意見の違いについて書いてある内容は初耳です、という状況があります。
こういう状況の場合、恐らく問診票を記入した保護者は何らかの形で保健師からパートナーにアドバイスをして欲しいという意図なのだろうなと思っています。ですが、問診票を記入した保護者の意見を詳しく聞かずに、記入していない方の保護者だけの意見を聞いて話をするのは、きちんとした状況がわからないので、保健師から一方的に話をするのは難しいです。また、人によっては「なんでこんな内容をわざわざ問診票に書いたんだ。」と健診後に帰宅して、夫婦喧嘩に繋がる可能性もあるので、少し心配になります。
このような場合は、もちろん健診でも良いのですが、普通にご連絡をいただいた方が対応しやすいかと思います。必要であれば、夫婦がそろっていらっしゃっているときにお会いして話をしたりできるので、困っているときは健診を待たずにご連絡していただくのが良いかと思います。その時によって話し合うスタイルは変わりますが、お一人ずつ話を聞いて解決策を考えたり、お二人揃って話を聞いて解決策を考えたり、色々です。
夫婦喧嘩や夫婦の意見の違いについてどんな感じでみんな聞いているの?
夫婦喧嘩や夫婦の意見の違いについては、みなさんどんな感じで聞いているのかというと、
- パートナーが家事や育児を全くしてくれない。どうやったらしてくれる?
- パートナーの子どもへのしつけが厳しいけれど、私が甘いのか、それともパートナーが厳しすぎるの?
- パートナーから暴言や暴力があって、怖い
- パートナーから家事や育児をもっとして欲しいと言われ、仕事が終わって帰宅後に頑張っているけれど、これ以上頑張れない
- パートナーから毎日性行為を求められ、しんどい
- パートナーの実家との関係に疲弊している
という感じです。一般的な内容から、個人的な内容まで、本当にいろいろな質問を受けます。夫婦間ではそれが普通なのか、そうでないのかという判断が難しいこともあるので、どんな質問でも大丈夫なので、困った時は聞いてみてください。
夫婦喧嘩はあって当たり前だけれど、子どもの前では絶対にしない
夫婦はそれぞれ違った環境で育ってきているので、意見の相違はあって当たり前かと思います。結婚して「こんな一面があるのに気付かなかった」、育児が始まって「全然育児に参加してくれない」という状況もあり得るかと思います。夫婦間で意見の相違がある中で、一緒に生活したり、育児をしていくのは、しんどいです。夫婦が普通に話し合って解決できることもあれば、話し合っても解決が難しい場合もあります。お互い感情的になってしまうことだってあると思います。
気をつけておかないといけないことは、子どもの前では感情的になって、暴力だけでなく怒鳴り合いの喧嘩もしてはいけないということです。暴力はダメという認識は当たり前なのですが、手を出さなくても怒鳴り合いの喧嘩は面前DV(心理的虐待)となります。

「夫婦喧嘩をしていたら、警察に通報された」ということがありますが、子どもの前で怒鳴り合う喧嘩をするのは心理的虐待に当たるので、警察が介入します。夫婦喧嘩で、暴力はもちろん、怒鳴り合って解決するとは思えないので、解決しない場合は保健センターや家庭児童相談等に介入してもらうのをお勧めします。
夫婦間や家庭の中で暴力が存在するのは、あってはならないこと
ちなみに暴力を振るう、振るわれているという状況は、たとえ夫婦間であっても、家族であっても、あってはならないです。暴力が夫婦間や家族間で存在するのであれば、適切な場所へ相談しに行きましょう。
暴力を受けていたけれど、少し落ち着く時期もあって、優しい一面もあるから…と思う方も多いと思います。ですが、暴力はいかなる理由があっても許容してはいけません。その優しさは下の記事の中に出てくるように、一時的なものであり(ハネムーン期)、本当に優しさを持った人間であれば、どんな場合でも、いかなる理由があっても、暴力なんて振るいません。
DVを受けている場合、「パートナーから逃げる」というのも一つの方法です、以前子育てサロンに保健師として出張に行っていた時、パートナーとの関係についてしんどいとおっしゃっていた保護者がいらっしゃいました。少し保護者の表情が気になり、「踏み込んだ話をして申し訳ないのですが…」とお話を詳しく聞かせてもらい、結局パートナーからDVを受けていらっしゃって、逃げる選択肢をされていました。逃げる方法としては、離婚をして実家へ転居する、実家へ押しかけてくるのではないかという不安がある場合は見知らぬ土地へ引っ越す、身の危険がある場合はシェルターを利用する、という感じです。
個人的には、人として、してはいけないことを守れない方とは、離れることをお勧めします。子どもの心も、保護者の心にも傷ができます。離婚することで経済的に困窮するのではないか…と不安になることもあると思います。そのような不安がある場合は、保健センターや児童相談所に相談することをお勧めします。保健センターや児童相談所に連絡したことがないと、はじめの一歩を踏み出すのに躊躇すると思いますが、躊躇せずに電話してもらって大丈夫です。「泣きながら電話してすみません…」と電話をかけてきてくださる方もいらっしゃいますが、こちらとしては全く問題ないです。ひとり親で生きていくための見通しを持てるように色々なサポートを紹介できるので、SOSを発信してください。
またひとり親になることで、両親がそろっていた方が子どものためではないかと思う方もいらっしゃると思います。そんな不安な方はこちらの本をお勧めします。

ひとり親でも、子どもは健やかに育ちます。夫婦間の暴言暴力を聞いて見て育つよりは、ひとり親で安全な場所で育つ方が子どもにとっても保護者にとっても良いかと思います。

ちなみに暴言・暴力で身の危険を感じた時は、躊躇せずに警察を呼びましょう。
保健センター以外でも相談できる場所
夫婦喧嘩などで、どうしてもその場が収まらないとき、後悔しているときに、「とりあえず誰かに聞いて欲しい」ということがあると思います。みなさんどんな感じで相談しているのかというと、
- 189に電話する
- 市町村が行っているホットラインに電話する
- 家族や友人で聞いてもらえる人に相談する
- 所属している園の先生に相談する
という感じです。189は有名なホットライン(児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について|こども家庭庁)になります。市町村によって、市町村独自のホットラインを設けていることもあるので、189や市町村のホットラインに電話し、話を聞いてもらってクールダウンする方もいらっしゃいます。相談の仕方は人それぞれなので、自分に合った相談先を見つけていてもらえたらと思います。



違う環境で育ってきた夫婦が二人で育児をしていると、意見の違いなども出てきて当たり前かと思います。少しでもご夫婦で同じ方向を向きながら育児ができるように、必要な時には相談をしてみてください。










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