少し前、埼玉県で子どもを留守番を禁止させる条例について、少し話題に上がりましたね。
このニュースを聞いて、私はどう思ったのかというと、『親の理想としては賛成かな…』と思いました。たいていの保護者の方は、「じゃぁどうやって仕事するの?」「専業主婦(夫)の家庭の子は放課後にお友達と遊べるのに、うちの子は遊べないじゃない。」と反対の方が多いと思います。それはその通りだと私自身も思っています。働かないと生活できない場合もありますし、多子世帯だと子どもたちの学校・園・習い事の送迎で時間がないので、子どもを一人にさせてしまうこともあると思います。ただ、なぜ私が賛成するのかというと、自分が小学生の時に下校時に誘拐されそうになった経験があるから。間一髪で逃げれましたが、ただただそれが今でもすごく怖かったのと、よく生きているなぁ、殺されなくてよかった、と思っているから。大人がいないと子どもは守れないのは事実で、もし我が子に何かが起こった時、後で後悔しても、子どもは戻ってこないです。
下校・留守番・放課後で子どもが被害にあった事例
「自分の子どもは事件に巻き込まれない」という保証はどこにもありません。世の中でどのような事例があるのかというと、まずはこちらの留守番している子どもに性的暴行を加えた事例です。
こんなことがあるのか…ととてもショックを受けました。私がよく親に言われたことは、『親が不在の時、家に入るときは後ろを向いて誰もいないか確認してから入ること』です。でも子どもが例え気を付けていたとしても、実際変な人が居たらどうしていいか小学生だと判断できないでしょうし、もし入ってこられそうになった時は大人の力は強いので、子どもは負けてしまうと思います。
次の事例は公園で遊んでいる子どもたちを自宅に誘って性的暴行を加えた事例です。
よく顔を見る人や、ゲームなどの遊びで誘われると、子どもならついつい付いていってしまうこともあると思います。この事例では、女児だけでなく男児も狙われており、性被害は女児だけではなく男児も気を付けないといけないことがわかります。
そして有名な下校時の行方不明になった事例です。
こちらの事例はとても有名だと思います。誘拐されて未だ行方不明の子どもや亡くなった子どもがいるのはとても辛いです。そのようなことになってしまった保護者の心境は、とても想像を絶すると思います。
こういった事件が起きていている中で、我が子だけは絶対に大丈夫、というのは言い切れないと思います。
車内放置で実際にあった事例
車内放置の事例としては、故意で車内放置し、熱中症で死亡などの事件がよくあります。しかし、故意でなくても、ちょっとそこまでと数分目を離すつもりが、例えば
- 戻るまでに保護者が事故に遭ってしまい子どもが取り残される
- 子どものいたずらで車の鍵が開かなくなってしまい熱中症の危険にさらされる
- 保護者がいないと子どもが車を飛び出して事故に遭う
といったこともあるかもしれません。
実際、私が保育園を送迎していた際に、「上の子を迎えに行くからちょっと待ってて」と鍵を閉めて保育園に入った保護者がいたのですが、下の子が寂しくなり保護者を追いかけようと、下の子が車の鍵を開けて外に出て、駐車場でさまよっていた、といったことがありました。それ以降はその保護者の方は下の子を連れて行ってくれるようになりました。また、自動車だけでなく、自転車も子どもを残して離れるのは危険です。以前露店のようなお店で、ちょっと買い物するだけとお店の前に子どもを自転車に残し、1mほど離れたところで保護者はお店の人とやり取りをしていたのですが、子どもが動いた加減で自転車が倒れ、倒れた場所は車道だったため、車が走行していて轢かれて亡くなった子を見たことがあります。
子どもに関する事故は、ちょっとした保護者の隙を狙われます。絶対に大丈夫とは言い切れないので、できるだけ子どもから目を離さないように私自身も心がけています。
大人の考えを上回る子どもの行動の事例
健診の仕事をしてると、色々なエピソードを聞きますが、ヒヤッとした事例はやはり大人の考えを上回る子どもの行動だなと思います。大人はそこまで子どもがするとは思っていない状況で発生しています。
よくあるのは、上の子を幼稚園のバス停まで送るのに、下の子が「一緒に行かない」というので、自分の好きなテレビ番組を見させて出かける、という状況です。テレビを見ているし、家から1ブロック先だし、何かあってもすぐに駆け付けれるから大丈夫、と大人なら思いますよね。そんな状況で、「窓から外に出て保護者を追いかけ迷子になる」とか「鍵を開けて外に出ていた」ということは実際に起きています。まだ背丈が小さいから「窓から出る」「玄関のカギを開ける」というのは難しいだろう、と大人は思っていても、実際子どもは賢くて、いろんな足台になるものを持ってきたりします。大人が思っている以上に、子どもは賢いです。また、もしかしたら子どもの誘拐を狙ったり、窃盗しようとしている人がその家の監視をしていたら、恐らく家のタイムスケジュールを把握して、家に侵入してくると思います。そうなったら命にかかわってくるので、子どもの置き去りは例え近くでも、例え数分でも、子どものケガや命の危険に遭うリスクになります。
市町村によって違う子どもの置き去りについて
よく乳幼児健診のお話をしていますが、健診の問診票は市町村によって違います。大まかな質問は決まっているのですが、市町村によって追加されたりしてアレンジされているという感じです。
今まで5種類ほどの市町村の問診票を見たことがあるのですが、子どもの置き去りについてしっかり聞いている市町村は1つだけでした。その他はほぼ置き去りについての質問は皆無という感じでした。そこの市町村ではなぜ聞いているのかというと、やはり「置き去りによるケガや死亡事故が起こっているから」という理由でした。
その市町村では、「未就学児を残して数分のゴミ捨てもしないようにしてほしい」というスタンスです。たとえ小学生の子どもが一緒だとしても、未就学児を自宅に残して出かけないように注意をしていました。なぜなら、「何かあった際に小学生では対応ができないかもしれない」ということと、「未就学児に何かあった際に小学生が責任を感じで自責の念に苛まれながら生きていかないといけないから」というところです。
数分のゴミ捨てもダメなの??とたいていの保護者は思うと思います。実際私も第一子がまだ動かないくらいの時期に、アパートのゴミ捨て場に第一子を残してゴミを捨てに行ったことが何度かあります。ただ、もし大きな地震が来て、棚の物が子どものところに落ちてくる可能性もありますし、玄関のドアが開かなくなって子どもの近くに行けなくなる恐れもあります。一軒家だとゴミ捨ての時間は指定されていますし、子どもがいない方が捨てに行きやすいですよね。アパートやマンションだとゴミなんていつでも捨てれると思われがちですが、家事をしているとタスクがたくさんあるのでついつい忘れてしまいがちなので、今捨てたい!と思う瞬間もあると思います。子育てしながらゴミ捨て一つだけでも大変なので気持ちはわかりますが、万が一のことを考えて、やはり子どもを連れていくか、代わりに捨てれる人に捨てに行ってもらうのがベストだと、今なら思います。
子どもの置き去りについては、恐らくそこまで一般の保護者は気にされていないのが現状でないかと思います(私もそうでした)。けれど、子どもを守るために、もっと周知されていくべきところかなと感じでいます。
何歳まで留守番させてはいけないの?日本とは違う海外の留守番事情
子どもを見守る研修に参加したときに、「アメリカは〇歳まで留守番させてはダメって法律があるけれど、日本ではきまってないからねー」というお話を聞いて、アメリカってそうなの??海外ってどんな感じなの?と目から鱗でした。なので調べてみると…
↓アメリカの留守番について書かれた記事
↓フランス・中国・韓国の留守番について書かれた記事
↓ニュージーランド、アメリカ、オーストラリア、イギリスの留守番について書かれた記事
これらの記事を見ていると、小学校1年生から一人で学校へ登校していたり、小学校低学年で一人で留守番していたりするのが一般的な日本って、すごく珍しいのかもしれないと思ってきました。海外に比べて日本は比較的安全と思われるので、このような状況かも知れませんが、日本で犯罪がゼロというわけではないですし、性犯罪は表には出にくいので、海外レベルで考えるのが子どもを守るには良いんだろうな…と私自身は思っています。
何歳以上なら安心して留守番させられる?
結局日本では〇歳以上からOK、という規定はないので何とも言えませんが、未就学児は絶対にダメです。一人では留守番させるのはとても危険です。じゃぁ小学生ならOK?と聞かれたりしますが、特に低学年の小学生が災害や何か困ったときに、いろんなことを判断して保護者に連絡して…というのは難しいと思います。それができない限り、お留守番は何かあった時に危険だと思います。日本では規定がないので親の判断になると思いますが、海外の様子を見ていると、小学生の間は保護者ができるだけそばにいて見守れるようにした方が良いのかなと私は思っています。
子どもを一人にさせない環境づくりを
子どもを一人にさせないようにしたら、仕事できないじゃない?どうしたらいいの?と保護者なら思いますよね。私もそう思います。そこを整えないと、子どもを守ることはできないですよね。保育園やベビーシッター、学童などがもっと整備されてからではないと、ぽんと「子どもを置いていかないで」と言われても対応ができないので、もっとそのこ整備がされていったらいいなと思います。学童は小学校〇年生までと決まっているところがありますが、小学校6年生まで預かってくれるところや、企業によってはベビーシッター券を配っている所もあったりするので、今はそのような限りある資源を探してなんとか確保しないといけないのが、今の現状ですね…。
もっと子どもが安全に過ごせる環境を整えれるようになったら嬉しいですね。
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