精神疾患での労災認定は難しい?認定を受けた経験を基に、仕事で精神的にしんどくなったら、労災申請を視野に病院選びは注意した方が良い話

今回は、少し普段の内容とは違った記事になります。仕事で精神的にしんどくなって労災申請をし、労災認定が通った私自身の経験を基に、仕事でしんどくなったら労災申請をきちんと認識しておくべきだったな…ということや、病院は労災指定病院の方が良かったな、という今後労災を申請するかもしれない方の参考になればと思っている内容になります。

目次

精神的にしんどくなったきっかけ

看護学生で実習をした人ならわかると思いますが、看護学生の実習に耐えてきた身なので、まぁまぁ過酷な環境に学生の頃は耐えてきたと思います。なので自分は精神的に病むことはないと思っていました。それが変化したのは育児を始めたことがきっかけでした。よく記事でも書いていますが、育児する上での保護者のメンタルは、環境にものすごく左右されます。夫が転勤族だったため、見知らぬ土地での育児がとても辛く、保育園看護師を経験した上で育児のことは知っていても、本当に上手くいかないことばかりで、第1子の時は産後うつっぽい症状があると言われました。半年ほどで症状は落ち着き、普段の症状に戻りました。第2子の時は産後は大丈夫だったのですが、第2子が1歳になる前にPMSが強くなり、ふと涙が出てくるような症状が数か月間だけあり、心療内科で頓服を内服してみたり、婦人科に行ってピルを内服することで落ち着きました。

そのような経過があった上で、その数年後、仕事でハラスメントを見たり受けたりしてしんどくなり、適応障害と診断されました。詳細は書けませんが、長期間同じ職員がハラスメントを受けているのを見て、私自身もハラスメントを数回されたことがあり、あるハラスメントの出来事をきっかけに、翌日から出勤前に泣いてしまうことがあり、そこから数日間は同じような状況で数日休み、ちょこちょこ出勤前に涙が止まらいないこともあり、そんな時は休むようにしました。たまたまですが、その数か月後には退職予定だったので、最後はきちんと仕事をこなして辞めたい、そう思っていたのですが、ハラスメントはその後も止まらず、だんだん自分のメンタルが落ちていくのを感じていました。

病院は自分が住んでいる所ではなく、他市町村を選んだが・・・

私の場合、住んでいる所と職場が同じ市町村だったので、他人の目を気にして他市町村で病院を選んで受診をしていました。労災を認定され請求する場合、通院費が出ますが、通院費が出る条件は限られています。私は理由があるにせよ、遠方の病院に通院してしまっているため、労災が認定されたとしても通院費は出ませんでした。こちらに詳細が書かれているので是非参考にしてください。

また、私が選んだ病院は労災指定病院ではないため、労災指定病院でない場合でも請求は可能なのですが、とても手間がかかります。ドクターも労災の手続きの方法をご存じではないことが多く、書類をすべて説明して、記入してもらう必要があります。労災指定病院であれば、労災請求に必要な用紙も無料で書いてくれることもありますが、労災指定病院ではないところだと、診断書代で数千円払わなければならないこともあります。すごく手間がかかり、病院代もかかるため、仕事の関係で負傷し、病院へ行く際は、労災を申請の有無関係なく労災申請指定病院を選ぶのが良いかと思います。

初めは傷病手当を申請するつもりであったが、労災を申請したきっかけは…

あるハラスメントの出来事をきっかけに、数日間お休みをいただきました。出来事が起こった翌日から3日間以上休んでいたこともあり、先輩から傷病手当を請求できることを教えていただきました。

上司にも傷病手当を請求したいと伝え、準備をしている中、とある先輩にお声をかけていただきました。他の部署でもハラスメントが横行していること、他の人もハラスメントを受けてハラスメントを訴えるがそれを人事部が認めないこと、ハラスメントを会社に認識するよう、労災申請をしないか、という話をされました。

偶然にも数か月後に退職予定だった私は、例え労災申請をしても辞める身なので職場の居心地は考える必要がないと判断し、労災申請をすることを上司に伝えました。上司はもちろん良い思いはしていなかったと思います。ただ、今他の職場で働くと、やはりあのハラスメントは異常だったなと思います。

労災申請を人事部に伝えた

労災申請を人事部に伝えると、どんな反応をされるんだろう…とビクビクしながら伝えました。人事部は「初めてのことなのでわからない」と言いつつ、書類を整える作業を一緒にしてくれました。わからないなりに労基へ問い合わせをしてくれたりしました。

弁護士に人事異動の相談した

労災申請をする際に、初めて人事部と話し、ずっと職場の雰囲気が悪く、あんなことがあってもハラスメントをしている人に異動してもらうことはできないのかと尋ねても、答えは返ってきませんでした。先輩がハラスメントに関して弁護士さんとの相談の場をセッティングしてくれ、弁護士さんとお話をしました。

ハラスメントを主にされているのが自分自身でないこと、ハラスメントをされているのを見てしんどいだけでは弱いこと、自分自身にされているハラスメントは相手に異動を求めるには弱いことを伝えられました。

その中で、労災申請をしている話をしたのですが、そもそも労災認定自体が難しいため、労災申請をしながら傷病手当の手続きは可能なため、欠勤になっている部分の給料を傷病手当で保障をしてもらってはどうかという話がありました。もし労災が認定されたら、傷病手当でもらっている保障は労災に置き換えることができるとのことでした。

労災指定病院以外で労災申請をすると、書類の書き方に悩んだり出費が多くて大変

労災指定病院でなかった病院を受診していた私は、そもそも労災を申請する書類の書き方が主治医もわからないので、記入の仕方を人事部に聞きながら、その通りに書いていただきました。通院費は労災が認められるか不明なので、とりあえず医療保険で払います。労災申請の書類1つでも私が通院していた病院は診断書代として2000円ほどかかりました。基本的に労災に係る書類はお金がかからないように労基側はお願いをしていますが、その判断は病院次第らしいです。病院によると思いますが、労災指定病院であれば費用や労力は軽減できると思います。

労災申請してから労働基準監督署との面談まで

労災申請すると、労働基準監督署と本人との面談が始まります。面談までどれくらい時間がかかるのかというと、約半年弱かかりました。急に電話がかかってきて、面談できる状態かどうか、できるのであれば面談の日程調整をして、指定された日時と労基へ向かいます。

面談はお昼休憩を入れて4時間ほどかかりました。「面談中にしんどくなったら休憩を入れるので、気軽におっしゃってください」と配慮をしてくれました。労基の職員に聞かれた内容としては、

  • 労災となったきっかけの出来事
  • ハラスメントがどのような感じで、どれくらいの頻度で、どれくらい続いていたか
  • ハラスメントを受けている人たちや、周囲のハラスメントに関わっている人たちの役職や立ち位置
  • 自身の受診歴

などを聞かれます。まず、ハラスメントなどの記録は必ず残しておいた方が良いです。私はそもそも労災申請するつもりがなかったので、記録は取っていなかったのですが、記録なしで面談に臨み、よく労災認定を通ったな…と思います。あやふやな証言だと、自分の面談が起こった後に職場と労基との面談があり、食い違いがあったりするので、記録は残しておいた方が良いです。

また、自身の受診歴に関しては、ハラスメントでしんどくなったのが自分自身の病歴が関係していないかというのがポイントになります。もともと日常生活で精神的なしんどさで通院歴があると、そのしんどさが起因しているのではないかという判断をされる恐れがあり、認定されなくなる恐れがあります。私の場合は数年前に産後のしんどさがあり通院歴があったのですが、なんと…保険証を辿って病院に通院歴の情報を開示されていました。面談で「〇〇病院に通院歴がありますが…」と話を振ってこられ、その時の状況や、その後の経過を話さなければなりません。通院に関する資料を労基の職員が手元に持っていたのですが、通院日・カルテに記載された内容・処方薬などの情報を持っていらっしゃるようでした。

面談はさらっと終わるのかと思いきや、結構時間は長く、自分自身もしんどさを引きずっていたので、ずっと泣いている感じでした。面談は思ったより心理的負担がかかります。

面談で話した内容はすべて文章として職員がまとめます。面談を終了する際に、作成した文章がこれで大丈夫か、という確認をされます。作成してもらった文章を一通り目を通し、恐らく職場の上司が見る恐れがあると思い、少し角が立ちそうな部分は当たり障りのない表現を変えてもらったりしました。

面談終了後も何か言い忘れたことや、削除してほしい部分はいつでも連絡してほしいと言われ、今後職場の上司との面談を労基がし、その結果と医師の判断で判定が出るとお話しされました。判定が出るのは、半年ほどかかると言われました。

労働基準監督署との面談が終わってから半年ほどして再度電話がかかってきた

面談から半年ほど経ったころ、労基から電話がかかってきました。内容はハラスメントの頻度がどれくらいだったのか、職場の聞き取りした上司たちと私とで意見が違う様子が見られる、とのことでした。もう一度電話にてその部分の話を聞かれ、そして上司ではなく、私と同じ立場の同僚と面談してもいいか?と聞かれました。恐らく上司との面談だけでは食い違いが実際どうなのかを、他に見聞きしていた同僚の話も聞いて判断するためだと思います。同僚の名前、ハラスメントを見聞きしていたことを確認され、面談をお願いをしました。同僚もいきなり面談のことを振られるとビックリされると思ったため、事前に面談を受けてもらっても大丈夫か確認の連絡を入れ、お願いをしました。

結局面談をして10か月ほど経って、判定された

面談が終わり10か月ほど経った頃、労基から「認定されました。」という電話がかかってきました。正直、認定はされないだろうと思っていたのでびっくりしました。同僚もハラスメントに困っていたので、恐らく同僚の面談が認定につながったのではないかと思います。

認定されたが、労災指定病院ではなかったため、労災の請求手続きが煩雑だった

労災指定病院で受診していなかったため、請求の手続きは煩雑でした。

  • 請求書を書いてもらうのに、また診断書代がいる
  • 請求書には職場の記載も必要なため、職場の人事部とやりとりする必要がある
  • 医療保険で支払っていた部分を10割負担にしないといけないので、社会保険に一旦連絡して10割負担をしないといけない
  • 処方薬も対象になるため、処方薬に関しても職場と病院と薬局に書類を書いてもらわないといけない

という感じで、労力も病院代も郵送代もかかり、とても大変でした…。

とはいっても、労災を認定してもらえ、とても助かりました。夫の転勤でいろいろな職場を経験していますが、最近はハラスメントについては研修があるので、少しでもハラスメントが減ってくれたら…と思います。

ハラスメントから逃げるのもありだと思う

世の中にはもっと酷いハラスメントが横行している職場はたくさんあると思います。戦うか、逃げるか、それは本人次第だと思います。私はどちらかというと逃げる方です。人が変わるのは難しいですし、その会社のしきたりもありますし、変わるかわからない会社や人に期待するよりも、自分が転職して居心地のいい場所を見つける方が良いかなと思っています。メンタルは一度崩れてしまうと不安定になりやすいので、しんどいときは休むのも必要ですし、頑張れそうなときはサポートしてもらいながら頑張ってみていただけたらと思います。

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