保護者が自分を追い詰めない、育児に必要な「諦める気持ち」

保健師として仕事をしているとふと感じるのが、

保護者の方々、頑張りすぎてる…。

というところです。

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核家族化になって大変な上に、更に保護者の方が頑張っている

昔は、2世帯・3世帯の家庭は、たくさんあったと思います。それなりに周囲からサポートも得ながら育児をしていたと思いますが(合う合わないは別として)、今の時代は核家族が当たり前で、共働きも当たり前の時代になりました。共働きの保護者は育児だけでも大変な上に仕事を、専業主婦(夫)の保護者は孤独感を感じたり、完璧な専業主婦(夫)を求められたりしていて、どの立場にいても育児しながら過ごすのはしんどいと思います。いろんなことに追い詰められている保護者もいて、話をしている時に流涙する方も珍しくありません。お話を聞いていると、

  • 仕事が忙しくて、子どもに関われていないんじゃないかと思う
  • イライラして、子どもに当たってしまって、そんな自分が嫌
  • 2人目が生まれてきて、上の子に関われていなくて、できていない自分を責める

など、保護者の方は今でも十分頑張っているのに、更に頑張ろうとしている姿、本当に尊敬します。ただ、イライラしたり、流涙してしまう時は、本当に頑張りすぎていると思うんです。

イライラしたりしんどい保護者の姿より、笑っている姿の方が断然子どもには良い

育児をしていると、しんどさがベースにあるので、イライラしたり、たまに涙を流してしまうくらいしんどくなるのはあるかと思います。ただ、子どもからするとイライラしていたり、流涙する姿を見ると、子どもは保護者の顔色をうかがったり、保護者のことが心配になります。

保護者は子どものことを思って、色々考えて子どもに尽くしていると思うのですが、無理してしんどくなる保護者と、笑顔まではなくても普通の状態で接する保護者なら、断然後者の方が子どもにとっては良いと思います。

特にイライラして怒鳴る・叩くという行為は、子どもにとってはよくありません。

ただ、そうは言っても、家事育児に追われている状況で、そんなの難しい…ですよね。どう状況を改善するか考えると、保護者の負担を減らすために色々なことを「諦める」という事が必要だと私は思います。

自分のこだわりなどを捨てて、保護者が楽になるために最低限のことだけをする

人には人のこだわりがあると思うので、もちろんこだわることに対しては別に構わないと思います。ただ、それが保護者の負担になり、それが子どもに対して辛く当たってしまうなどであれば、やめるのをおすすめします。例えば、

  • 毎日掃除をしてしまう➡掃除の頻度を減らす
  • 手作りの料理にこだわる➡冷凍食品などの簡易な調理方法をちょっと取り入れる
  • 子どもの相手をしていて、自分の時間がない➡時間を決めて、子どもに保護者が選んだ動画などを見せて自分の時間を作る
  • 子どもがダメなことをした時に、何度も怒る➡長々と話をしていても子どもがその1回でいう事を聞くわけではないので、ダメな理由を添えて冷静に話をしたらそれでおしまいにする

大事なのは、保護者がどうしたら楽になるのか、というところです。育児は子どものペースはもちろん大事ですが、保護者のペースも大事にしてください。保護者が倒れてしまうと、結局子どもにも影響してしまいます。たまに「子どものためにもっと頑張りなさい」と言ってくる部外者もいますが、保護者がしんどくなって何かあっても、大概そういう方は特にサポートしてくれるわけでもないので、スルーしましょう。

子どもに食べさせて、お風呂に入らせて、寝させることができていたら、それで保護者としての仕事は十分こなしていると思います。保護者の時間も体力も精神力も無限にあるわけではありません。できる範囲内で、今も最大に頑張っていると思うので、これ以上あれしないといけない、こうした方が子どものためかな…と余裕がない時に考えるのは控えましょう。もう十分頑張っています。できないことはできないですし、そこまで自分を追い詰めてするものでもないと思います。理想はたくさんありますが、諦めましょう

頑張っている保護者の人には是非読んで欲しい本

育児をしていると、ついつい自分を追い詰めてしまったりすると思うのですが、そんな時に読んで欲しい本が、こちらの小児科の医森戸やすみ先生が書かれている本です。保護者の肩の荷が下ります。そして「世界一役に立たない育児書」はとても笑わせてくれる本なので、とてもおススメです。

私も過去の自分を見ると、頑張りすぎていたと思う

ふと振り返ると、昔は頑張りすぎていたと思います。子どものためにと思って、ほぼ手作りで冷凍食品は使わなかったですし、外出もたくさんして子どもが楽しめるように頑張っていました。先輩保健師からは、「そこまでしなくてもいいんじゃない?」とよく言われていたのですが、手を抜く加減や、方法がわからず、「自分のペースでできてるし、変える必要はない」と、思っていました。それが変わるきっかけだったのが、仕事・家事・育児が大変になって、ついにキャパオーバーし、精神的に不安定になったのがきっかけでした。

精神的に不安定になったのが、逆に転機になった

精神的に不安定だった時期は、仕事を短期間休職し、あっさりと退職しました。仕事が大好きだった私が、仕事を諦められたのは、退職しないといつか自分がつぶれてしまうと感じたからです。そう判断できたのは周りの方の支えがあったからこそなのですが、その退職を機に、「これでも人生何とかやっていけるんだ」という経験をし、なんとなく諦めて手を抜く加減や自分を追い詰めないという方法がわかるようになってきました。

過去の自分が見たらビックリするくらい、色々なことを諦められるようになった

過去の自分と比較すると、自分でもびっくりするくらい諦めの心を持って、家事育児に手を抜いています。例えば、

  • カレーを手作りしたら、甘口のルーを使っているのに辛いと言われて食べてくれず、手作りする時間と労力が無駄な気がしてそれ以降カレーはレトルトを使っている(カレーのレトルトは非常食にもなるので、便利です)
  • 卵のサンドウィッチを作る時はゆで卵を作らず、お椀に割った生卵をチンして潰して作っている(自分でも斬新だな…とは思っていますが、時短のため)
  • 子どもの癇癪やケンカに対して、仕方ないよね~と冷静な心を持てるようになった(昔はよく怒っていた)
  • 部屋が荒れていても数日間過ごせるようになった(疲れて部屋が荒れているのを見たくないときは、かごに洋服やおもちゃなどをそのままガサっと入れる)
  • 夕食が終わったら15分ほど自分の時間を作っている(子どもは楽しく動画を見ている)

などなど、色々諦められるようになり、だいぶ私自身も楽になりました。

今現在で人生最大の育児に関する諦めは…

今の時点で、人生最大の育児に関する諦めは3人目が欲しかったのを諦めたことです。私は4人きょうだいだったので、子どもは2人じゃ寂しい感じがあり、3人目が欲しいと思っていました。3人子育てしている先輩からも、「2人育児も3人育児もいっしょだよ。3人子育てはまた違う感じで楽しいよ。」と言われていました。2人目が1歳くらいになったころ、3人目欲しいな…とは思うものの、自分が育児下手なのはわかっていたので、躊躇していました。夫はというと、どちらかというと反対している感じで、でも恐らく私が推せば3人目も生まれていたかもしれません。ただ、3人の子育てはやっぱり自分の首を絞めることになるだろうなと、悩みに悩んで諦めました。2人目が卒乳する、最後の授乳の時は、今でも鮮明に覚えています。「これが最後の授乳になるかもしれないな…」と思いながら授乳していました。また、私はPMSでミレーナを使用しているのですが、ミレーナの処置をする時、待合室で「もう私が妊娠することは無いんだな…。もう3人目の可能性はゼロになるんだな。」と思うと、少し悲しくて涙ポロっと落ちたことを覚えています。

でも諦めたことと引き換えに、子どもたちと穏やかに過ごせて、笑顔が見られるなら良いと思っているので、羨ましいとちょっと思うことはありますが、後悔はしていません。

保護者が精神的に安定して育児をするには、しなくても何とかなることはしない、頑張り続けない、無理しない、という事を考えながら、まずは自分を大切に家事育児をしてくださいね。

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