地域の小学校には、支援が必要な子どもが小学校で適した支援を受けられるよう、支援学級や通級指導教室というものがあります。

支援学級や通級指導教室、支援学校に関しては、こちらの記事になります。通級指導教室や支援学級や支援学校ってなに?と思われる方は読んでみてください。


保健師として通級指導教室や支援学級を知ってはいたのですが、保護者側として経験はしたことがなかったので、聞いた話しか知らなかったです。それが、わが子が通級指導教室へ通うことになり、通級指導教室の事をよく知るきっかけになりました。保健師として仕事をしていたにも関わらず、子どもの成長が気にはなるけど行動に移すのに躊躇してしまって、期限ギリギリ滑り込みで通級指導教室を利用することになりましたが、通級指導教室に通って本当に良かったと実感しています。
通級指導教室や支援学級はどんな感じで利用につながるのか?
そもそも通級指導教室や支援学級ってどんな感じで利用につながるのかというと、
- 元々ずっと心理士さんの相談や医療機関で子どもの発達を相談していて、就学する際に勧められて通級指導教室や支援学級に繋がった
- 保育園や幼稚園から就学を視野に入れる年長の頃あたりに、子どもの成長がちょっと心配と声を掛けられ、心理士さんの相談に繋がって通級指導教室や支援学級を勧められた
- 子どもが年長くらいの時に保護者が心配になって保健センターに連絡し、心理士さんに繋がって通級指導教室や支援学級を勧められた
という感じかなと思います。
年長の時期に就園先を経由して「就学相談」のお知らせが来る
年長になると、保育園や幼稚園で「年長さんを対象に就学相談があります。小学校に上がることで、何か心配のある方は就学相談にてご相談ください」という市町村のお手紙をもらったことはありますか?市町村によってあったりなかったりするのですが、「就学相談」というのが、小学校へ上がる際に「うちの子、授業について行けるかな…小学校の生活、やっていけるかな…」という不安のある保護者が、就学について相談できる場所になっています。主催は教育委員会などの部署になり、市町村によって相談の形式が違い開催する時期も違うのですが、基本的には春~夏前の時期にあるのではないかと思います。そこへ相談するのを機に、通級指導教室や支援学級を利用するきっかけになる方もいます。
通級指導教室や支援学級を利用するための申請時期っていつくらい?
申請の時期は市町村によって異なります。「夏前までに申請が必要」「秋のころまでに申請が必要」と様々で、色々見ていると大きな市町村ほど、申請時期が早いような気がします。
通級指導教室や支援学級を希望する際に、小学校で見学や面談がある
通級指導教室や支援学級を希望すると、小学校から連絡が入り、面談が行われます。面談は校長先生・通級指導教室の先生と一緒に子どもを連れて面談に行きました。どのようなことが心配で希望しているのか、実際に子どもの様子はどうなのか、というところを聞かれます。そして保育園や幼稚園へ小学校の先生が実際に子どもの姿を見に行って、状況を把握します。
そして面談とは別日に通級指導教室や支援学級のお部屋や子どもの様子を見たり、通常学級の様子と通常学級で過ごす際の対応などを見学させてくれます。
年明けごろに通級指導教室や支援学級の決定通知が来る
年明けごろに希望した通級指導教室や支援学級を利用できるかという決定通知が来ます。どこの市町村でも、おおよそ年明けくらいなのではないかと思います。それで保護者が利用する意思を伝えたら、利用の決定がきまります。
想像していたよりものすごく丁寧な対応をしてくれる通級指導教室や支援学級
就学前から始まっていた見守り
就学前に一度、子どもと保護者が学校へ行く説明会があると思います。わが子が通う小学校では、子どもと保護者はばらばらのお部屋に行き、子どもは6年生と遊び、保護者は別室で小学校へ上がる際の準備に関しての説明を受けていました。説明会が終わった翌日、小学校から電話があり…



通級指導教室の担当教員です。昨日は説明会お疲れさまでした。お子様何かおっしゃられていましたか?



とても楽しんでいたようです。6年生のお姉さんたちに折り紙をいただいて、とても嬉しそうでした。



そうでしたか!よかったです。実は私もお子様の姿を見させていただいていたのですが、とても楽しそうな様子で安心しました。現在の時点で、何かお母さんの中で不安なことはないですか?



先生見てくださったんですね。ありがとうございます。特に心配なことはありません。



承知いたしました。ちなみに入学式の事ですが、通級指導教室や支援学級を利用される方を対象に、事前に入学式の予行をするのですが、参加はいかがですか?



入学式は前年度の上の子の入学式で一緒に参加しており、見通しがついているかなと思っているので無しにしようと思うのですが、いかがでしょうか?



わかりました。もしよろしければ、通級指導教室の授業の始まりが4月末で、入学してから通級指導教室の授業を受けるまでしばらく期間が空いてしまうため、入学式後に保護者同伴で通級指導教室の授業体験をしようかと思うのですが、いかがでしょうか?



お気遣いありがとうございます。ぜひお願いしたいです。
このような感じで、就学前から手厚いサポートをしていただいていました。ここまで手厚いサポートを受けれるとは思っておらず、驚きました。
入学式以降の様子
入学式が終わり、授業が始まってすぐの頃、小学校から電話があり…



通級指導教室の担当教員です。お子さんの通級指導教室の担任をさせていただくことになりました。1年間よろしくお願いいたします。授業が始まりましたが、お子さんのご様子いかがですか?



順調に過ごしています。もうそろそろ通級指導教室の授業が始まるかと思い、通級指導教室の話をしていると、通うのを嫌がる発言があり心配です…



そうなんですね。授業の様子をいつも見に行っているのですが、授業はとても積極的に手を挙げて発言したりする様子も見られているので、少し頑張って疲れているのかもしれません。通級指導教室に関しては、本人のペースでしていこうと思うので、ゆっくり見守りながら進めていきますね。
わが子は週に1回の通級指導教室なのですが、通級指導教室の授業が始まる前の期間もよく子どもの様子を見に行ってくださっているようでした。
結局わが子は始めの時期は通級指導教室へ通うのを拒否し、先生も無理強いはせず、
1週目:通常学級の教室で通級指導教室の担任がそばに行って子どもと話をするだけ
2週目:放課後に保護者と一緒に通級指導教室へ行き、5分ほど授業をして終了
3週目:通級指導教室の教室の前に行き、ドアを開けて中の様子を見て終了
4週目:通級指導教室へ行き、中に入って出席シールを貼り終了
5週目:通級指導教室へ行き、出席シールを貼り、じゃんけんをして終了
6週目:通級指導教室へ行き、出席シールを貼り、じゃんけんと授業を1項目だけして終了
という感じで本当にスモールステップで授業を少しづつ進めてくれています。わが子は頑固なところがあるので、教室に入ることができるとは思っていなかったので、驚きでした。さすが先生はプロだなと思ったのと、ここまで時間をかけて子どもに合わせて進めてくださっていることに感謝です。
通級指導教室の連絡帳がある
基本的に通級指導教室では毎週連絡帳ファイルを持って帰り、保護者・通級指導教室の担任の先生・通常学級の担任の先生がそれぞれコメントを書いて、子どもの様子を共有します。
通級指導教室の個人懇談もある
1学期に通常学級で個人懇談があると思います。通級指導教室や支援学級では、それに加えてさらに通級指導教室や支援学級の担任の先生との個人懇談もあります。そして通級指導教室や支援学級の担任の先生は通常学級の個人懇談にも同席してくださいます。



通級指導教室は、想像していたよりも、ものすごく丁寧に子どもと関わってくださっていて、びっくりしました。もちろん学校によって対応は違うと思いますが、通常学級だけでは難しいところもカバーしてくださっていて、本当にありがたいです。
わが子が通級指導教室に通うなんて思ってもいなかったけど、発音が心配で保健センターへ相談したのがきっかけで通うことになった
通級指導教室に通ったきっかけは、サ行やラ行の発音が不明瞭だったことで保健センターに連絡をし、心理士さんの相談と言語聴覚士さんの相談を受けた際に、発達でゆっくりな部分が判明したのと、言語訓練をする必要があって通級指導教室を勧められたのがきっかけでした。
サ行やラ行はスムーズに獲得するのが難しい発音なので、年長あたりで獲得できたらいいかなぁという感じだったので待っていました。しかし年長になっても改善しなさそうな様子で、これは言語聴覚士さんの訓練に通った方がいいかもしれないと判断しました。
発音が不明瞭な場合は、年中や年長くらいの時期に保健センターへ電話をするように保護者へは伝えています。なぜ年中か年長くらいなのかというと、サ行やラ行は獲得する時期がその時期くらいなのと、発音の訓練が必要となった際に、年少くらいだと言語聴覚士さんの指示に従って訓練するというのがまだ難しい年頃だからです。ただ、市町村によってシステムが違ったりする頃もあるので、心配な方は一度保健センターへ聞いてみてください。
私が住んでいる市町村では、言語聴覚士さんの相談をする際には心理士さんの相談も入るのが条件でした(市町村によってこの辺の決まりは違います。私が働いている市町村は、言語聴覚士さんの相談だけでもOKですし、心配なら心理士さんの相談も受けることができます)。そこでたまたま入った心理士さんの相談でびっくりしたのが、わが子の発達に遅れが見られていることでした。わが子は保育園では優等生で、身の回りの事は自分で完ぺきにこなし、友人関係でもトラブルはなく、一斉指示もスムーズに聞けていると聞いていたため、懇談でも指摘されたことはありませんでした。私も生活面で気にはなっていなかったのですが、心理士さんの相談では、耳からの情報を処理する力が弱いと言われました。そういえば生活の中でも上の子とは違う様子を思い出し、思い当たるところもあるなと感じました。小学校へ上がる際は、小学校へ今回受けた助言を伝えて欲しいと心理士さんから言われました。その後、言語聴覚士さんの相談でも、発音の不明瞭さを確認してもらい、今後の方針として訓練が必要だけれど、今は定期的な訓練は空きがなく単発で訓練なら受けることはできる、ただそれだと少ないため、小学校にある通級指導教室で訓練を受けることができるので、通級指導教室を利用してはどうかと打診されました。
その意見を聞いたときに、心理士さんや言語聴覚士さんに相談するまでは「小学校に上がるまでに半年くらい訓練を受けといたら良いかな」くらいの気持ちで相談したので、まさか通級指導教室を紹介されるとは思ってもいませんでした。通級指導教室を勧めたのは発達のゆっくりさも含めたものなのか聞いてみたかったのですが、なんとなく心理士さんや言語聴覚士さんの様子を見ていると、恐らくそうなんだろうなと思いました。自分が保健師という仕事している経験上、出された提案は受けた方が良いというのがわかっていたのと、思ったよりわが子が集団生活の中で苦労していたのかもしれない、そして小学校に上がって集団生活で困る可能性があるかもしれない…というのを考え、特に迷わず通級指導教室を申請することにしました。申請時期はあと1週間という時期だったので、急いで書類を用意し、小学校の面談もし、なんとか申請には間に合いました。
小学校にあがって、わが子の姿は想定外だった
通級指導教室へ通っているわが子(下の子)はとてもハキハキしたしっかり者で、保育園時代は登園渋りもなく、率先して先生の指示に従う、優等生のような存在でした。ところが入学してからは想定外の事がいくつかあり、学校へ行きたがらず、なかなかスムーズに教室へ入れなかったり、科目によっては授業を受けることができない様子も見られました。身体的な症状も出てきて、どう対応していいかわからず、その時に通常学級の担任の先生以外に通級指導教室の担任の先生も相談することができたり、通級指導教室に通っていることで他の先生も満遍なく情報共有されているようで、教頭先生や生活指導の先生が対応してくださったりすることもあります。授業参観でも、初めて解く少しわかりにくい問題は困っている様子が見られ、かみ砕いた説明や視覚的にわかりやすい説明が必要であることも実感しました。上の子よりしっかりしていると思っていた下の子が、小学校にあがって上の子より手がかかり、こんな展開になるとは想定外だったので、勇気を出して保健センターに相談し、通級指導教室を利用していて良かったとしみじみと感じています。
もうすぐしたら始まる5歳児健診
もうすぐしたら、各市町村で5歳児健診というものが始まります。就学を見据えて、子どもが成長して集団生活の中で困っていることはないか、保護者が子育てで困っていることがないかを確認する健診になると思います。小学校への就学に向けて何か困りごとがあったら、なるべく早めに保健センターへ連絡した方が、子どもにとっても、保護者にとっても良いと思うので、心配なことがあれば保健センターへ聞いてみてください。
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