小学校への就学:就学支援について

ここでのお話は主に小学校へ就学する際のお話です。年中~年長の子どもを持つ保護者が対象ではないかと思います。小学校へ就学する前の年長さんが、スムーズに小学校へ就学できるよう、私たち保健師は保護者から相談にのります。ちょうど今の時期、年長さんの保護者は悩む時期ではないでしょうか。

就学支援に関しても、市町村によって内容が違ったり、様々な状況があるので、参考としてみていただければ幸いです。

目次

ひと口に「小学校」と言っても、選択肢はいくつかあります

小学校には通常学級・通級指導教室・支援学級・支援学校というものがあるのはご存じでしょうか。

私は支援学級と支援学校しか、この職に就くまで知りませんでした…

単に「小学校へ就学する」といっても色々な選択があります。

  1. 通常学級へ在籍する
  2. 通常学級に在籍しながら通級指導教室を利用する
  3. 支援学級へ在籍する
  4. 支援学校へ在籍する

主にこの4通りかと思います。
1~3は地域の小学校への就学となります。

通常学級はわかるけど、通級指導教室や支援学級ってなに?

市町村によって通級指導教室や支援学級の内容が違うこともあります。なので今回は’’こんな感じのイメージ’’として捉えていただきたいです。

通級指導教室とは

私の市町村での話をさせていただくと、通級指導教室は、通常学級に在籍し、例えば月に1~2回、週に1~2回などの頻度で、苦手な科目や生活に必要なことなどを丁寧に教えてくれる場になっております。支援学級との違いは、個別対応の時間が少なく、在籍は通常学級というところです。

支援学級とは

支援学級というのは、支援学級に在籍はしているが、基本的に通常学級で授業を受け、科目によって支援学級の場へ行って丁寧に教えてもらうという場所になります。通級指導教室と違い、個別対応は手厚く、在籍は支援学級になります(名簿としては通常学級に記載はされるようです)

通級指導教室・支援学級は市町村によって体制が様々で、苦手な科目を全て通級指導教室で受ける形や、全科目を支援学級で受ける、という市町村もあるようです。その市町村によって様々なので、就学する学校や教育委員会や保健師へどのような形をとっているのか聞いてみてください。

支援学校ってなに?

支援学校にもいろいろな種類があります。視覚支援学校・聴覚支援学校・(肢体不自由)支援学校・(知的障がい)支援学校などです。精神発達がゆっくりである子ども、体に不自由さを持つ子ども、視覚・聴覚障がいのある子どもが、それぞれ専門性を持った学校で、その子に必要な方法で学習できる学校になっています。学校ごとに専門的な知識を持った専門職がおり、少人数で手厚くサポートしてくれます。

支援学校も支援学級も、それぞれ見学ができる機会があるのではないかと思います。恐らく私たちの世代の支援学校・支援学級とは、印象が違うと思います。見学に行った保護者が、「昔の私たちの頃と違う」とよくおっしゃいます。百聞は一見に如かず、是非見学に行ってください。

小学校へ就学する前に保健師に相談って、何を相談するの?

小学校に入る前に、保護者が「この子、小学校に行って、ちゃんと勉強したり、お友達と仲良くしたり、学校にきちんといけるかしら?」と不安に思う保護者は多いと思います。保護者が不安に思うことは当たり前です。

その不安を軽減しながら、学校へスムーズに通えるように下準備をするのが、「就学支援」です。私たち保健師だけでなく、所属してる幼稚園・保育園・療育園・児童発達支援の先生たち、学校教育課の先生、小学校の先生などが協力して、保護者と子どもがスムーズに小学校に上がれるようにサポートしています。

例えば

  • 集団生活の中で、周りが騒がしいと集中力がなくなってしまう
  • 数字が苦手、ひらがなが苦手
  • 言われていることを理解するのに時間がかかる

そのような場合、小学校で少しでも丁寧に先生が見てくれると、子どもにとってわかりやすいですよね。

先生が丁寧に教えてくれる通級指導教室であったり、もっと丁寧に見れる時間を増やす為に支援学級を利用したり、支援学級よりもっと丁寧な対応が必要である場合であれば、もっとわかりやすくその子の方法で学習できるように支援学校を利用したり、様々な方法があります。
それに加え、市町村によっては就園先から就学先に引き継ぎ書がある場合もあります。「うちの子どもはこんな感じの子で、こういうところに注意してほしい」など、保護者が不安に思っていることを、今までの成長を振り返って書き、こういうことが予測されるから、どのように対応してほしいかということを、就園先の先生たちと引継ぎ書を書き、小学校へ申し送りをしてもらったりします。

就学支援に対して抵抗がある保護者もいます

支援学校や支援学級の話を持ち掛けると、とても抵抗のある保護者はいます。また、保護者が支援学校や支援学級を決めても、祖父母に反対されて…ということは多々あります。「我が子にレッテルが貼られる」という思いが強いのだと思います。

ただ、何のためにサポート体制があるのかということを考えてもらえればと思います。
友達とよくトラブルになる、授業についていけない、そんなことが続くと、学校に行きたくないですよね。それは大人も同じです。小学校へ行っても先生に怒られるばかり、誰も分かってくれないという気持ちから、二次障がい、例えば精神的にしんどくなって引きこもりになったり、非行などの反社会的な行動を将来起こしてしまう、という可能性があります。

それを防ぐために、まず不登校にならず小学校を楽しめるように、事前のサポートを私たちはしています。私たちが子どもの頃の支援学級などは、どちらかというと暗いイメージだったのではないでしょうか?それを他人から聞いてイメージを払拭するのは、難しいと思いかも知れません。でも、今の支援学校や支援学級は昔とはかなり変わっています。もし、自分の子どもが必要かもしれないと少しでも思うようであれば、是非見学や支援学級や支援学校に行っているお子さんを持つ先輩ママさんからお話を聞いてみてください。

就学支援は保健師だけでなく、身近にいる就園先の先生方も話を聞いてくれます。小学校に上がるのは、子どもも保護者も不安で当たり前です。周りのサポートを得ながら、よく話し合って、小学校へ上がっていただけたらと思います。

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