月経(生理)が始まると、妊娠する可能性があります。自分が小学生や中学生の時、月経が始まると妊娠する可能性がある、性行為をすると妊娠する可能性がある、ということを認識していましたか?私はあまりなかったです。「生理めんどくさいなー。」程度の認識でした。子どもが自分の体を守るために、月経・性行為・妊娠については子どもへ教育していく必要があります。
妊娠をしてるかもしれないと不安な気持ちの子どもたち、親に怒られるかもしれないと妊娠を言えない子どもたち、性被害に遭ってしまって妊娠しているか不安・妊娠してしまってどうしたらいいかわからない、妊娠を継続するか中絶をするか迷う子どもと保護者の方、そんな方々が必要な支援を受けれるように必要な場所へ繋がってほしいと思って書いている記事になります。
私自身は、中絶に反対ではありません。確かに中絶は胎児とはいえ、人間を人工的に死なせてしまう行為ではあります。大学の授業で、中絶の様子を見たときは、とてもショックだった覚えがあります。ただ、望まない妊娠をしてしまった女性が、妊娠を継続するか、中絶をするかの選択肢が無いというのは、あまりにも過酷なことだと思います。無理に妊娠を継続して養育ができないのは、それはそれで生まれてきた子どもも親も辛いです。妊娠継続するか、中絶するか、前向きに選択できない場合は、どちらが正解というよりも、どちらが自分の人生にとってベターか、ということを考えざる得ないと思います。中絶に反対する方はいらっしゃると思いますが、自分の人生は自分が選ぶものであり、周りが責任を取るものではないので、周りの意見を聞きつつ、自分で判断していただけたらと思います。
ここは性教育や中絶に関して論争する場ではないので、そのようなコメントはご遠慮ください。
*子どもたちへ*
性交渉をするのは自由だけれど、避妊と性感染予防はしっかりとする
私たちが子どもの頃と違い、性交渉の年齢の低下が見られます。小学生でも性交渉の経験がある子どもも居ると思います。性交渉をする際に気を付けて欲しいのが、避妊と性感染症を予防することです。
- 必ず避妊する(コンドームを付ける)
- 性感染症予防をする(コンドームを付ける)
たまに「ピルを飲んでいるから大丈夫」という人がいますが、ピルで性感染症は防げません。ピルで防げるのは妊娠だけです。特に最近は性感染症の中で梅毒がかなり流行しているので、コンドームは必ず使用しましょう。

パートナーがコンドームをつけないとき
性交渉時に「コンドームをつけたくない」というパートナーがいますが、そういうパートナーとは性交渉すべきではないです。「コンドームを持っていないから」、「つけるのがめんどくさいから」、といろいろな理由を言ってきますが、体を守るためにコンドームの装着を望んでいるのに、コンドームをつけないという選択肢はありえないです。そのようなパートナーが、コンドームをつけないことによって性感染症になったり、女性が妊娠した時、パートナーが責任を持って対応すると思いますか?特に妊娠は体と心に負担がかかるのは明らかに女性側で、コンドームをつけない方が責任を取るとは到底思えません。
「コンドームを付けないなら嫌」という意思を伝えてもなお、パートナーがコンドーム付けたくないという場合は、パートナーとはその場で離れることをお勧めします。コンドームをつけないことでパートナーの機嫌が悪くなったりするなら、そのパートナーは人として正常ではありません。あなたを傷つけてしまう可能性のある要注意人物です。また、同意なしに性行為を強要する場合は犯罪です。同意がない性行為の被害に遭うことは女性だけでなく男性もあり得ます。同意なしに性行為を強要する方とは、連絡を取らない、近づかない、距離をとることが必要です。
昔働いていた職場の先輩が、「子どもの財布にコンドームが入っていて、私、学校から呼び出されたの。でも私はきちんとコンドームを持っていて、偉いなと思った。」とおっしゃってましたが、私もきちんと自分や相手を守るためのものを持っていて、素晴らしいと思いました。
*子どもたちへ*
性行為後に生理が来ないときは、妊娠している可能性があるので、必ず婦人科への受診が必要です
性行為後に生理が来なくなったときは、妊娠している可能性があります。予定日を結構過ぎているのに生理が来ないときは婦人科へ行った方がいいです。なぜ婦人科の受診が必要なのかというと、
- 万が一妊娠していた場合、きちんと子宮の中で妊娠しているか確認しないと命に関わる
- 妊娠していなくても生理不順(生理が定期的に来ていない)の場合、生理が定期的にくるよう治療が必要かもしれない
というところです。妊娠と言っても、正しい場所以外の場所へ受精卵が着床し妊娠することがあります。

その場合、大量に出血したりして命に関わる場合があるので、きちんと子宮の中で妊娠しているか、婦人科では妊娠した方全員にチェックしています。病院に行かずに出産する方も稀にいらっしゃいますが、妊娠・出産が何事もなく安全に経過するのは当たり前の事ではありません。なので必ず受診するようにしてください。
婦人科を受診する場合、年齢によって保護者同伴でないと診察を受けれない場合もあります。どうしても保護者には言えない場合は、「妊娠SOS」という妊娠しているかもしれない、妊娠して悩んでいる、避妊ってどうしたらいいの?という妊娠に関する悩みに対して相談を受け付けているところがあります。そちらに連絡を入れると、相談に乗ってくれるので、一人で抱え込まずに連絡してみてください。
妊娠検査薬ってどんな感じで買うの?使うの?買うのに躊躇するとき
妊娠したかもしれないのがすごく不安で、妊娠検査薬で一度検査をしてみようかなという子どもたちへ。できるなら婦人科へ行っていただけたらと思うのですが、色々と事情があるかもしれません。妊娠検査薬をして陰性だったとしても、長期間生理が来ないのは受診した方がいいと思うので、早めに受診しましょう。そしてもし妊娠検査薬が陽性だった場合は、必ず産婦人科を受診してくださいね。
妊娠検査薬ってどんな感じ?
妊娠検査薬は検査薬に尿をかけ、妊娠を確認する検査薬です。尿検査の尿を取る感じで、検査薬に尿をかけたらOKです。一般的な様式のトイレを使用して検査は十分できますが、心配な方は和式トイレの方が検査しやすいかと思います。
検査の時期と値段
検査薬によって検査ができる時期が異なってきます。早期妊娠検査薬が稀に販売されており、生理予定日でも検査できますが、値段は高いと思います(1000円超えてしまうかもしれません)。通常の妊娠検査薬であれば、生理予定日1週間後くらいに検査します。通常の妊娠検査薬で早めの時期にしてしまうと、妊娠していても尿の中に妊娠を示すホルモンが十分になくて、きちんと判定されないこともあるので、検査をする時期を記載されている時期より前にするのはお勧めしません(生理予定日1週間より遅いのは全く問題ないです)。通常の妊娠検査薬は800円前後で販売されており、ドラッグストアのオリジナル等であれば、600円くらいでも販売しているようです。
妊娠検査薬はドラッグストアで探すのが難しく、買うのも少し躊躇する
妊娠検査薬を学生の身分で買うのは、かなりハードルが高い気がします。妊娠検査薬を置いている場所は、たいていコンドームなどが置いてある場所だったりします。ドラッグストアを探してわからないときは女性の店員さんを探し、おいてある場所を聞いたときに「レジで男性の店員さんに対応してもらうのが少し恥ずかしいので、女性の店員さんに対応していただくことはできますか?」と聞いてみてください。それを断る女性の店員さんはいらっしゃらないと思います。
妊娠を親や周りに言えない子どもたちへ
妊娠しているかもしれない…、例えば
- 生理が遅れて何か月もたつ
- 吐き気が生理予定日くらいの時期から常にある
- お腹が膨らんできた
- お腹で何か動いている気がする(妊娠14週くらいから感じる)
という症状で妊娠しているかもしれないと感じることが多いのではないかと思います。妊娠に気付くきっかけは人それぞれかと思います。妊娠に気付いたとき、「親に怒られる」という思いが強いのではないでしょうか。妊娠したのが学生という立場なのであれば、「妊娠した」と親が聞いた瞬間、もちろん親はびっくりすると思います。望んだ性行為で妊娠したのか、妊娠を継続するのかしないのか、妊娠したということは、今後の人生がガラリと変わってくるので、親もパニック状態かと思います。
妊娠したのを親に言えず、お腹が大きくなって、もう隠しきれない、という時期になって親に伝える学生の方がいらっしゃいますが、どのみち親はびっくりするので、早めに言ってもらった方が色々と対処できる方法が多いです。親としては早めに言って欲しいです。覚えておいて欲しいのは、
- 「妊娠が正常に経過するのは当然ではない」
- 「妊娠22週未満であれば中絶ができる」
ということです。子どもが妊娠して言えないまま、万が一、妊娠中に体にトラブルが起きて子どもが生死をさまよう状況になるのは、親としてはとても辛いです。生死をさまようくらいなら、どの親も「早めに言って欲しかった」と思うと思います。また、妊娠23週以降は、法律で中絶ができないと決まっています。中絶ができないということは、出産をするしかないということです。出産は「産んだら終わり」ではないです。例え子どもを育てることができないからと子どもを施設に引き渡すとしても、出産した女性の体にはダメージが残ります。そして産んだ子どもの事を考えながら生きる人生になります。女性は男性と違い、妊娠や出産をするので、体にも精神的にもかなりの負担がかかってきます。なので妊娠した時は、必ず早めに周りのサポートを受けることが大事です。
ちなみに妊娠〇週ってどうやって数えるの?
妊娠の週数の数え方は、最終月経の始まった日を「0週0日」として計算します。計算はこちらのホームページでできるので、計算してみてください。
こちらのホームページだと、中絶の期限の22週未満がどれくらいの時期なのかがカレンダーで見てわかるので、調べてみてください。
飛び込み出産は危険です
稀に「飛び込み出産」というのがあります。妊娠して、病院に行かずに出産に至る場合です。病院で妊婦検診を受けないまま、陣痛が来て救急車を呼んで到着した病院で出産するような感じの事です。飛び込み出産はとてもリスクのある行為です。妊婦や胎児の状態や、感染症のリスクなども不明な状態で、母子ともに危険な状況です。状態を把握するのに時間がかかり、妊婦・胎児ともに危険があった時に対応が遅れてしまう恐れがあります。
飛び込み出産をして大丈夫だった人はいますが、それは医療従事者が全力で対応したのと、運が良かっただけです。何度も言いますが、妊娠や出産が無事に経過するのは、当たり前ではありません。なので、飛び込み出産は選択しないでください。
ちなみに中絶ができずに経過し、施設や公園のトイレで出産する方も稀にいます。その場合は救えた胎児の命が、救えない状況になります。母もよく無事で生きていたな…と感じます。もしかしたら、そこで母が大量に出血して死に至ることも可能性もあります。なのでこの出産方法も、選択しないでください。
どこにでもあるわけではないですが、赤ちゃんポストや内密出産という、最終手段で胎児や母を守る施設が作られています。色々な事情はあると思うのですが、できたら妊娠した時点でサポートができたら、母子ともに負担を軽減できると思うので、サポートを得るために一度保健センターや妊娠SOSに電話していただけたら幸いです。
親に妊娠を伝えられないとき
子どもたちの中には
- どうしても妊娠を親に言えない
- 妊娠したことを伝えると暴力を振るわれるかもしれない
- そもそも家族に性行為を強いられ妊娠した
という辛い状況の子どもも居ます。その子たちには、家族以外のサポートが必要になります。家庭内で親が子どもに暴力を振る、家族が同意のない性行為を強いるというのは、そもそも絶対にしてはいけないことであって、子どもが負い目を感じる必要はないです。ただ、そうは言っても難しいのが現状です。親に言えない場合は、自分一人で抱え込まずに、妊娠SOSや自分が住んでいる市町村の保健センターへ連絡をしてみてください。
性被害に遭った子どもたちへ
性被害自体、とても怖い思い出したくない記憶です。
- SNSで初めて知り合った人に会って、逃げられる状況ではなく性被害に遭ってしまった
- 家族や親せきから性被害を受けた
性被害に遭うと、子どもたちは「自分が〇〇したから」と自分を責めてしまうこともあります。ただ、子どもたちに知っておいて欲しいのは、どのような形であれ、「性行為を強要する」というのは犯罪であり、やってはいけないということです。性行為を強要していい理由なんて、一つもないです。責められるのは子どもたちではなく、加害した人です。
性被害に遭ったら、なるべく早く、保護者や学校に教えて欲しいです。ショックで記憶が曖昧なこともあるの思いますが、子どもの体が大丈夫かどうか精神的な面も含めてサポートしていく必要があり、また加害者の特定につながるものを証拠として押さえる必要があります。
性被害を受けてしまったとき、他人に話すのはものすごく勇気がいることです。しかも性被害の加害者は、知らない人よりも知っている人が多いです。特に家族や親せきなどが加害者の場合、相談できる人は限られてきます。その場合、自分が相談することで、家族が困ってしまう、逆に攻撃されるかもしれない、色々な思いが出てくると思います。ただ、あなたを身体的にも精神的にも傷つける人間は、そばにいてはいけない人です。犯罪行為をする人ならなおさら、そばにいてはいけないですし、その人は正しく生きるためにサポートが必要な人です。被害に遭った自分をケアするため、これ以上被害者が出ないようにするため、加害者が正しく生きるためにサポートを受けるために、なるべく周りの誰かに相談していただけたらと思っています。
家族以外の相談となると、児童相談所や青少年相談センターなどが対象になるかと思います。このような施設は相談を受け、守る体制を整えます。家族を頼れない場合は、一度相談してみてください。


子どもを持つ親へ、性教育は子どもには必要です
早い子どもだと、小学生くらいから月経は始まります。小学生の妊娠は実際あります。月経が始まった時は、月経のことだけでなく、性交渉をすると妊娠する可能性が高いということも、子どもたちには教えていく必要があります。それは親にとってはどう伝えていいのか、迷いますよね。性教育に関しては、昔の私たちが子どもの時代と違い、幼児期あたりから「プライベートゾーンを大切にする」ということを絵本で学んでいくような流れに代わってきています。
性教育をすることで、自分だけでなく相手も守るための知識を、子どもたちは付けていく必要があります。自分の子どもが被害者だけでなく、加害者の立場になることもあります。性教育をすることで、自分自身が加害者にならない、被害者にならない様に気を付ける知識を養っていく必要があります。性教育に関しては、私たち親世代はあまりきちんと性教育を受けていないですし、性に関しては伝えづらいこともあると思います。なので幼少期の頃から少しずつ、そして今は性教育の書籍が絵本から一般的なものまで数多くあるので、是非利用してみてください。
保護者の方へ 産むか生まないか迷うとき
子どもが妊娠すると、子ども自身も保護者も悩むと思います。子どもが出産を希望した場合、保護者が経済的・環境的にしっかり子どもの出産をサポートできるかというところが重要かと思います。子どもの学業と子育ての両立はなかなか厳しく、そこにどれだけ保護者がサポートできるかが重要です。妊娠して出産をするということは、並大抵のことではなく、若さだけでカバーできるものでもありません。出産・育児をしながら、自分の道を切り開けるのは、保護者のサポートがあってこそです。
子どもが出産を望まない場合、胎児と言っても人を人工的に死なせてしまう中絶の処置をしなければなりません。それはたとえ子どもが出産を望まなくても、子ども自身にとって身体的にも精神的にも辛い処置になります。人を一人死なせてしまう罪悪感はあると思いますが、子どもには子どもの人生があり、出産することで得られなくなる未来の選択肢もあります。また、無理な環境での出産は、結局しわ寄せがくるのは生まれてきた子です。
妊娠してしまった以上、産むか産まないかどちらが正解というのはなく、どちらがベターな人生を送ることができるかということを考えて選択するしかありません。
望まない妊娠をして、中絶を選択する人、出産をして子育てをする人、出産をして子どもを施設へ預ける人、それぞれ色々な選択肢をしながらそれぞれの人生を歩んでいます。その決断やその道を歩んでいくために、周りのサポートは必要になってくるので、子どもが妊娠した時点で、保健センターに電話一本でいいので、早めに連絡していただけたら嬉しいです。
子どもが一人で悩まないように、子どもの保護者が一人で悩まないように、若年の妊娠などは妊娠SOSや保健センターでサポート体制が整っています。産むか迷うとき、産まない選択肢を考えているときでも、連絡していただいて大丈夫です。一人で抱え込まず、是非連絡していただけたらと思います。
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