保護者と保健師の壁⑤ 相性

例えば小児科に行って、「このお医者さんとは合わないな」と感じることってありますか?私はあります。子育てに奮闘している中、しかも子どもが病気で看病している中、お医者さんからチクリと嫌味を言われたり、厳しい言葉をかけられるのは辛いです。病気の説明の仕方や、どうなったら次回引き続き受診したらよいか、保護者の側面から考えたケア方法など、お医者さんによって違います。いくつか小児科に行ってみたりして、合う・合わないを実感して、私はかかりつけの小児科を選んでいます。

恐らく保健師にも合う人、会わない人がいると思います。

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保護者と私たち保健師との間でも、もちろん相性はあります

「保健師」と一つくくりにしても、はっきり物事を言うタイプの保健師、物腰が柔らかいタイプの保健師、色々な性格の保健師が居ます。どの保健師が合う・合わないは、やはり保護者の性格によってそれぞれ違います。はっきり言われるのが辛い、もっとはっきり言ってほしい等、受け取り側の性格によって様々です。

私たち保健師側からしても、なんとなく保護者との相性の良し悪しというものは、正直感じます。私たちは仕事なので構わないですが、保護者としては相性が合わない保健師にずっと関わるのは正直しんどいのではないかと思います。

人間同士の関りなので、すれ違いは存在します

そもそも人間同士の関わりなので、性格などの不一致ですれ違いが生じてしまうのは仕方がないと思います。そして例えば表情が見えない電話やメールだと、「そういう意味で言ったわけではないのに、違うように伝わってしまった」という場合があったります。もちろん電話での相談はいいのですが、直接会って話をするというのは、相手の表情を汲み取れるので、相談する場合はとても大事です。
また、健診などでは保護者に初めて会ってお話を聞くことが多いのですが、保護者の状況や困り感などの情報をうまくキャッチできず、情報提供を強めにプッシュしてしまい、保護者が嫌な気持ちになることもあります。

担当を変更になった経験があります

保健師になって数か月のとき、まだまだ分からないことだらけの中、個別相談で初めて会った保護者が居ました。保護者が困っているというより、所属している園での困りごとが多く、園の先生から言われたので来た、という感じでした。個別相談を受けて、さらに専門の先生に診てもらいましょう…となったのですが、私が手続きの仕方がわからず先輩保健師に何度も聞きに行きながら対応していると、保護者の顔色がだんだん悪くなりました。保護者としては来たくて来ているわけではない上に、更に専門家を紹介され、その手続きに時間がかかっていることに対して、嫌な思いをしていました。先輩保健師がその状況を見て、担当を変えた方が良いと判断し、担当から外されることになりました。

担当変更はしょっちゅうあるわけではないですが、たまにあります。でも、それでいいと思います。保健師として改善するところがわかるので、勉強になります。ちなみにその後、その保護者に会うことがありますが、「元気ですかー?」とお声掛けもしたりして、普通にお話したりしています。

余談なのですが・・・

私はどちらかというと控えめな性格のタイプだと思っています。絶対に営業向きではないです(笑)そんな私がたまに見ていて心配することがあります。それは「子どもの為に、親は頑張らなければならない」と熱血系(という表現があってるかわからないですが)のタイプの専門職に追い込まれる保護者がいることです。保健師に限らず、子どもの周囲にいる専門職でよく勉強していらっしゃって、私もそのような方についていくのは好きで、よく勉強させてもらったり、助言をいただきます。ただ、その方についていける保護者はいいのですが、保護者のタイプによってはそれが逆に追い込まれて辛い、ということがあります。
私の考えとしては、子どもを養育している保護者が潰れては元も子もないと思っているので、
「余力があるときに、できることをしたらいい」というスタンスでいつも保護者には育児の情報提供などを伝えています。「頑張らない」わけではなく、「頑張れるときに頑張る」そう思いながら私は日々育児相談にお答えしています。

相性が合わないと思ったら担当変更を

保健師だけでなく、相談の場では心理士さんなど色々な職種がいるので、もし、自分の相談相手が「相性が合わないな」と思ったら、遠慮なく担当を変えて良いと思います。大事な子どもの事ですし、子どもが成長するまで、長い付き合いになりますので。
担当を変える際は、なるべくならどういう理由で変えたいのかをお伝えはした方が良いと思います。保健センターには複数の保健師がおり、じゃぁ次はどういう保健師が担当するかを保健師間で話し合い決めるので、選ぶ際のポイントになるので理由はなるべくなら添えた方がいいと思います。ただ、人によっては言いづらいですよね。そのような時は「話が合わなかった」で良いと思います。

病気のこと、成長のこと、保護者との関係性、私たち保健師の仕事は日々勉強です。保護者とすれ違いになることもありますが、その経験を元に改善しながらこれからも子どもと保護者の力になれたらと思っています。


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