保育園の危機管理と車内での事故予防

先日、他県で園児が通園バスで取り残されて、亡くなったニュースが流れてきました。亡くなったことに関してもショックですし、「水筒の中身は空っぽだった」「上半身の服を脱いでいた」というエピソードを聞いて、こんな小さな子どもが生きるために頑張ろうとした証を残したと考えると、涙が出てきます。我が子は年齢も性別も同じで、あの通園バスと同じ形の通園バスを利用しています。あのバスを見るたびに、つい我が子と重ねてしまい、とても心が辛くなります。
バスに乗っていたのはたった6人、6人の人数確認だけでもしていれば、助かったかもしれない。他にもこの事故を防げる機会はあったのに…どこかで防げたら、あの子も保護者も苦しまずにすんだのではないか。色々な悔しい思いが出てきますが、ヒューマンエラーというのはどのような状況でも起きてしまいます。だからこそ、いくつもの予防策を重ね、どこかで事故が起きないようにキャッチできるようにしなければなりません。保育園ではどんな危機管理をしているのか知ってもらい、では自分で何かできることはあるのか考えてみたいと思います。

目次

保育園の危機管理

私は保育園看護師もしていたので、その経験を踏まえた保育園の話をします。私が勤務していたのは公立の保育所です。民間の認可保育施設や認可外保育施設など、様々な保育施設があるので、あくまでも公立の保育所で私が感じていたことなので、そこはご了承ください。
保育園看護師をしていたのでは数年だけですが、保育現場はとても厳しくしんどいです。もちろん子どもは可愛いですし、季節を感じれるので楽しいですが、楽しいだけでは保育所での仕事は難しいと思います。
保育所では、登園したら必ず登園児の確認、欠席児は欠席連絡がきちんと入っているか、欠席連絡がなければ保護者へ連絡する、といったことを毎朝しています。園庭や遊戯室を出入りした際は、園庭や遊戯室に子どもが残っていないか人数を数え、クラス担任で声を掛け合いながらチェックしています。給食はアレルギー児のダブルチェックの対応や喉を詰まらせないように見守りをし、お昼寝はなかなか寝ない子を対応しつつ、お帳面や毎日の保育記録、そしてSIDS(乳幼児突然死症候群)予防のため、5~10分間隔で子どもが呼吸をしているか確認をしています。そうこうしているうちにおやつの時間がくるので、おやつの用意をしつつ子どもたちを起こし、着替え、食べさせ、おやつの片付けと共に遊びが始まり、お迎えが続々と来て、保護者対応していかなければならない・・・と一息つく暇もなく一日が過ぎます。ここに書ききれないような事を他にもたくさん保育士さんはしており、保育現場に立ってみると、保育士さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいになります。怪我をさせないように細心の注意を払いながらの保育だけでも大変な中、保護者対応や事務に追われるので、本当にハードです。そんなハードな仕事の中、保育園では怪我や事故や災害の想定訓練(実施後は反省会もしている)やヒヤリハット(ヒヤッとしたことやハッと気づいたこと)をみんなで共有して危機管理を定期的に行っています。それを行っていても、子どもの想定外の動きや環境面などで、事故は起きてしまうこともあります。
保育所への見張り役として、立入調査(監査)があります。保育所へ監査が入るので、記録や口頭での質問により、規則正しく保育所が運営されているかチェックが入ります。日常の業務から危機管理をしているかどうかもチェックされるので、監査の日はとても緊張したのを覚えています。
認可外施設へも立入調査をしているようで、その結果などが市町村のHPから見れます。「○○市 認可外保育施設」と検索すると、立入調査の結果が出てきます(内容は市町村によって若干結果の表示の仕方が異なるようです)。

このような感じで保育所は子どもの事故がないように運営されていますが、しなければならないことを怠り、何も起きないこともあれば、今回ような事故を招く場合があります。保育所の多忙さは理解しているので、万が一確認不足をしてしまっても事故を防げるように様々なグッズやシステムを導入できればいいのですが、環境面を変えるのは経済的に難しい場合もあります。我が子を守るために、自分でできる予防策は無いかということを私たち保護者も考える必要があります。

車内の事故予防のために

今回の通園バスの事故のことは、子ども達に伝えました。死生観がわかってきた子どもたちに対してこの事故を伝えるのは躊躇しましたが、必要なことであると判断して、伝えました。子ども達へ自分の身を守るために、

  • バスの乗り降りや車中では先生の言うことを聞くこと
  • バスに忘れ物をしても、黙って取りに行かない。取りに行くときは先生に伝えてできれば一緒に取りに行く
  • もしバスから出れなくなったら躊躇わずにクラクションを鳴らすこと 

を教えました。子ども達の力で本当にクラクションが鳴らせるかわからないので、実際に鳴らす練習は必要だと思っています。

保育園のバスだけでなく、自家用車でも鍵の不具合で子どもだけが車の中に閉じ込められてしまったケースがあるようなので

  • 車には必ずお茶のペットボトルを入れており、何かあったらこれを飲む
  • 車のカギの開け方 
  • 車のクラクションを鳴らす

を教えています。鍵の開け方は定期的に子ども達へ「鍵開けるボタンどこだっけ?」と教えています。
これを機に、車の窓を割るハンマーについて調べました。ハンマーだと車が水没したときに窓を割りにくいとのことだったので、こちらの手のひらサイズのものを購入してみました。

シートベルトのカッターもついているようで、この刃で切れるようです。スッと刃の蓋が取れます。どこかに付けれるように(?)キーホルダーがついていますが、なにかに引っかかったらすぐに本体がポロっと落ちそうなので、ぶら下げるのは危ないと思います。

実際にテスト用ガラスがついており、やってみました。床において割ってみました。

そこまで力はいらなかったです。女性でも簡単に割れました。実際に車の窓ガラスにしたら、どんな感じなのでしょうか。やってみたいところですができないので、もし何かあったときにこれくらい簡単に割れてくれたらいいなと思っています。フロントガラスは窓ガラスに比べて強いので、このカッターでは割れにくいそうです。カッターやハンマーを持っていないときは、靴下に小銭を入れたものやベルトの金属部分で叩くと窓ガラスは割れるらしいです。ちなみにこのカッターを買った際にこちらも購入しました。

私、お恥ずかしい話、「この三角停止版、車に入ってないな~」くらいにしか思ってなかったのですが、事故したときにこれを置かないと違反なんですね・・・夫に言われて気づきました。きっと運転免許証を取ったときに教わったと思うのですが、忘れていました・・・。
念には念をとこれも買いました。

時折、事故を起こして車外に出たら轢かれてしまった・・・というニュースもあるので、買いました。黒の部分がマグネットになっているので、車内から手を伸ばして車体の屋根にひょいとつけれるそうです。

試しに冷蔵庫に引っ付けてみました。真横でもしっかりくっついていました。ただ、ボタンが少しかたく、結構強く押す必要があります。

小さな命を守るために

この事故で亡くなったお子様には、ご冥福をお祈り申し上げます。保護者の気持ちを考えると、本当に胸が痛みます。
この事故をきっかけに、バスでクラクションを鳴らす練習を子どもたちにさせてくれたり、保護者会を開いて園での事故予防策を保護者に対して説明してくれた保育園や幼稚園があるみたいですね。保護者も不安になっていると思うので、とてもいいことだと思います。小さな子どもの命が守られているのは、保護者が普段当たりまえのようにしている子どもへの気遣いや子育て支援に関わる方々が繊細な注意を払っていているからです。事故防止は、大人も子どもも定期的に考えたり教えたりする必要があると思います。一度、子どもと一緒に事故防止について話してみてください。少しでも小さな命が守られますように。

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