就園先① 保育園・託児所

ここでは保育園や託児所のことについて、書いていきたいと思います。

目次

保育施設の認可・認可外ってなに?

認可、認可外というのは、国が判断しており、子どもの人数に対して保育士の数がきちんと配置されているか、遊ぶ広さは確保されているか等を把握して、認可の有無を決めています。認可されてるから絶対に良い、認可されてないからダメ、というわけではありませんが、認可されている方が子どもの安全は客観的に見て比べると確保されていると思います。ただ、認可外だから安全でないというわけではありません。きちんと安全に配慮しているところもあると思います。そこは実際に保護者が保育園や託児所へ行き、安全を考慮した対策を見たり聞いたりして判断することが大事だと思います。

認可外保育施設を選ぶときの注意点

認可された施設が良いと思っていても、選考で外れてしまってどうしても認可外の施設に入らないといけないときや、自宅の近くで認可外施設があってそこだと送迎しやすいので入園したいという場合ありますよね。
認可外の施設を選ぶ際、どういうところをチェックするかというと、私なら、

  • 子どもの人数に対する先生の数(子どもにどこまで視線が届くか)
  • 部屋の広さ(狭すぎると事故が起きやすい)
  • 小さい子なら大きい子が遊んでいる中で安全は確保できているか(おもちゃが飛んできたり、大きい子が遊んでいても事故を防げる工夫がされているか)
  • 感染症対策(新型コロナウイルスだけでなく、ノロウイルスやロタウイルスなどへの感染症対策がされているか)
  • 看護師の配置の有無
  • 事故が起きたときの対策(どのような手順でどこに搬送されるか事前に決まっているのか、想定訓練などしているか)
  • 地震など災害時の対策(避難場所への移動方法や保護者への通達など)

などを考えます。子どもの命に関わるところとして、まず押さえておきたいポイントだと思います。東京都のHPを見ていると、保育施設の選び方などが出ていたので、ご参考になればと思います。

ちなみに認可外保育施設には立ち入り調査をしています。例えばこのような感じで東京都は公表しています。どういうところを指摘されているのか、その指摘部分に対して改善をされているかなども公表されているので、こういった情報も参考にしてもらったらいいかなと思います。

認可されている保育園について

ここ以降は全て認可された保育園などの話になります。保育園には公立と民間の2種類あります。公立は市町村が管轄として運営している保育園で、民間は法人や企業が経営している保育園になります。
どちらが良いか迷うことはあります。両者のメリット・デメリットをお話しさせていただきます。

公立のメリット・デメリット

【公立のメリット】

  • 保育に必要な費用をなるべく低くして考えられている
    (経済的に幅広い世帯の中で、なるべく保護者が払う費用を抑えているイメージですね)
  • 保育の質が安定している
    (保育に関する研修を保育士は受けており、市町村内の公立保育園で保育士の異動があるため、保育の質が均等になるというイメージです。公立の保育園であれば、転園しても雰囲気は同じような感じのところが多いです)
  • 加配保育士がいる
    (また後程、お話をしますが、医療的ケアが必要な子、丁寧に関わった方が伸びる子などに対して配置される保育士です。保育園によっては、民間も加配保育士がつく制度があります。)

【公立のデメリット】

  • 費用が抑えられている分、不便なところがある(布団のレンタルがない等)
  • 保育時間が民間より短い(夜間保育や休日保育がない)
  • 習い事などがない(もしくは少ない)
  • 建物や物品が民間に比べて古いことがある

民間のメリット・デメリット

【民間のメリット】

  • 保育時間が長い保育園がある(夜間保育や休日保育)
  • 保育園によって保育方針の特色が出ている(この部分は良い面でも悪い面でも)
  • 保育園によって習い事が受けれる
  • その保育園が独自で研修を受けていたりする
  • 公立より建物や物品が綺麗なところが多い

【民間のデメリット】

  • 保育園によって当り外れの差が大きい(主に保育の質など)
  • 習い事や布団のレンタルなどがあり、費用が公立よりかかることがある

私の経験談をお伝えすると、1人目の子が0歳児クラスで入園となったとき、家の前に民間の保育園があり、車の運転が苦手な私はその保育園を選びました。しかし、その園は行事ごとは大人をメインとした主催の仕方、おむつ替えはおむつ替え台があるのにトイレの床にマットを引いて交換している衛生面の悪さ、生後2か月の泣いている子に対して「なんで泣いてるの?もうベッドにほっとくね。」と他の保護者が居る前で平気で言う保育士の質の悪さ等に嫌気がさし、転園しました。保育園の見学では見えない部分があります。見えなかった部分はどうしようもないことです。入園して、「子どもを預ける上で、子どもが危なかったりマイナスになる」と思うところは、保育園に改善策を求め、それでも変わらず子どもを預けたくない気持ちが続くのであれば、転園を考慮した方がよいと思います。
ただし、入園でもそうですが、転園する上で注意が必要なのは、小学校区です。
できれば自分が住んでいる小学校区内の施設の方が、そのまま一緒に小学校へあがるお友達が多いと思うので、小学校の交友関係もスムーズかと思います。
それと、どこの地域でも同じかと思われますが、4月から年度が始まり、時間が経つにつれて空いている枠は少なくなってきます。入園しようかな、転園しようかな、そう考えていたらいっぱいで入れなくなった…ということは良くあるので、入園や転園を少しでも考えるのであれば、申請だけでも時間がかかるので、早めに行動した方が良いかと思います。

加配保育士ってなに?

先ほどお話しした中で、「加配保育士」というワードがあったと思います。
加配保育士というのは、担任の保育士以外にクラスの中に入り、特定の子に対して丁寧に関わってくれる保育士さんのことです。具体的に説明すると、集団生活の中で、医療的ケアが必要な子であったり、「丁寧に関わった方が子どもが集団生活の中で過ごしやすい」という子どもに対して丁寧に関わってくれる保育士さんです。
「丁寧に関わった方が子どもが集団生活の中で過ごしやすい」というのは曖昧な書き方ですが、発達に遅れがある子どもや、発達相談を受けていて指数は成長に沿った平均値であるが集団の中で過ごしづらい様子がある子など、という感じで思っていただけたらいいと思います。

ただし、国などが補助金を払って加配保育士をつけるというシステムなので、加配保育士を配置できる子どもの基準は市町村によってその基準は違います。〇歳児クラスから加配保育士がつく、発達障がいや疾患などの診断がないと配置できない等、市町村によって配置基準が違うので、注意してください。

保育園へ通う要件

ちなみに、基本的には保育園へ通う要件として保育に欠ける家庭環境と言われており、たいていの保護者は「就労のため」だと思います。しかし、実は「保育に欠ける」と言っても保護者が何らかの疾患があり子ども見をれなかったり、子どもが発達がゆっくりで集団生活が必要であったり、その他様々な事情で保育園へ通園していることがあります。教育を主にする幼稚園に比べて、保育園は「子どもを預かるだけ」という目で見られそうな印象ですが、実は保育園での保育方針や日々の目標・振り返りなどはきっちり決められており、保育士さんたちは毎日子どもの成長について話し合い、記録や会議や研修に追われながら過ごしています。加配保育士の配置についてはケースバイケースですが、発達がゆっくりな子の成長を促す力が保育園にはあります。

加配保育士を付けれない・付けない保育園もある

公立の保育所では加配保育士を基本的に付けることができます。ただ、民間の保育園は対応が様々です。「補助金が出ないため加配保育士を付けれない」という保育園があったり、保育園の方針で「加配保育士が必要な子どもは受け入れない」と決めている保育園もあります。前者の方は以前働いていた市町村の民間園はそのような制度になっており、民間では加配保育士がつきませんでした。数年後に民間にも補助金が出るようになり、民間に通っている子どもたちも加配保育士がつくようになりました。とても素晴らしいことですね。子どもたちにとってはとてもプラスです。後者の加配保育士を付けないという保育園ですが、入園して子どもが成長する中で、徐々に子どもの発達の遅れが出てきて、保育園側が「配置基準に沿った保育士の人数では子どもを見れない」と判断し、ほかの加配保育士が付く保育園へ行くよう転園を促すことがあります。私の勝手な推測ですが、保育園側の人員の配置や子どもの安全面を考慮した結果なのだろうと思います。民間園は経営もあるので、仕方がないと思います。そのようなケースは稀ではなく、保護者が辛い思いをする事はよくあります。そのような状況になったとき、転園は保護者にとってかなりエネルギーを使います。転園して我が子が馴染めるのだろうか、家庭でなにかできることをしたり習い事で成長を促したりして、このまま在園できないだろうか、と悩む保護者は多いです。ただ果たして子どもはその保育園で健やかに成長を促せるのだろうかと考えると、私としてはそうではないと思います。その子に合った対応を保護者と一緒に考え、対応できる保育園が、その子自身の成長を十分に促せる場所となると私は思っています。そのような場所がどこか、というのも保健師は一緒に考え、必要であれば他の専門職の意見を一緒に聞いたりして、情報提供しています。

保育園の評判

保育園を決める際に、口コミとか気になりますよね。保育園を見学しても、見た感じと実際は違った…というのはよくあります。私たち保健師も、「どこが良いですか?」と保護者からよく聞かれます。健診や個人的な相談の場で保育園の評判などはよく聞ききますし、仕事で保育園との関りもあるので、保育園の評判はわかります。しかし、私たちは公的な立場の人間なので、「ここは良い。」「ここはやめといた方が良い。」というのは言ってはいけないんです。なので保健師や保育園の入園を取り扱う部署に「どこが良いですか?」と聞くのは、ほぼ無駄に近いです。
こればかりは本当に通ってみないとわからないです。相当評判の悪いところはママ友からの情報などでわかりますが…。
私の勝手な意見ですが(役所側の人間というのもありますが)、公立の保育園は無難かなと思うことが多いです。本当にあくまで私の勝手な個人的見解ですが…。

保育園は保護者を支える最大の味方

保育園は単に子どもを預けるだけの場所ではありません。
実は保護者を支える最大の味方です。幼稚園やその他の施設ももちろん保護者支援をしていると思いますが、毎日送迎が必要な保育園は、毎日直接先生と顔を合わせるので、保護者の変化に気づきやすい環境です。
私たち保健師はよく保育園とは公立や民間関係なく、よく関わるのですが、本当に保護者のことを良く知っていて、理解していて、様子を見ながら話しかけて悩みを聞いたり…と保育で忙しい中、保護者支援を丁寧にしていて、頭が下がります(もちろん保育園によって保護者支援の対応については様々なところもあります)。
日常生活の中で、もし何かしんどいこと(例えば夫婦間のことや、仕事のこと等)があれば、一度保育園の担任の先生や主任・園長先生などに話をしたら、話を聞いてくれるかもしれません。

子どもだけでなく、保護者も安心して通える保育園が見付かることを願っています。

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