5歳になっても夜におねしょをしているけど大丈夫??~子どもの夜尿で病院を受診し、抗コリン薬を内服、その後の経過について~

5歳だけど夜のオムツが取れていない…という心配な方、我が子は5歳のとき、夜はオムツでした。保育園看護師をしていた経験上、年長さんのクラスに2,3人はいるのではないかと思います。そんな時はどうすればいいのか?病院へ行った方が良いのか?子どもの夜尿について我が子の経験を踏まえて、少しお話しできればと思います。

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意外と3歳6か月児健診で聞かれる夜のオムツが外れていないという質問

3歳6か月児健診で仕事をしているとよく聞かれるのは「まだ日中オムツなんです…」という相談です。ですが、たまに「夜のオムツが取れていなくって…」という相談があります。友人の子が夜を布パンツで過ごしている、ネットの情報をみて心配になった、という感じらしいです。そんなときは「まだ大丈夫ですよ~」とお答えしていますが、いつまで様子を見ればいいの?と思いますよね。

いつまで夜尿症は様子を見ていたらいいのか?

よくネットや病院のHPを見ていると、「5歳になってもおねしょがあったら…」と書いています。じゃぁ5歳になって、お漏らしがあったら病院に行けばいいのか💡と思って、私も我が子を連れて行きました。でも実際はそうではありませんでした。私としては、6歳ごろまでは様子を見てていいのではないか、というよりも何もしようがないな、という感じでした。

我が子は夜のオムツは常にボタボタだった

我が子は小さいときから寝る前によくお水を飲んでいました。年齢が上がるにつれてお水を飲む量も減っていったものの、3歳になってもボタボタ、4歳になってもボタボタ、初めての子なので「こんなものかな~」と思って過ごしていましたが、4歳で夜のオムツがボタボタな中、下の子が3歳になって数か月たった頃に夜尿がなくなり、夜のオムツを卒業しました。眠前に同じくらいの飲水量で、下の子が先にオムツを完全に卒業してしまったことに衝撃的でした。こんなあっさり夜のオムツは無くなるのか?なぜ上の子はボタボタなのか…と心配になり、もうすぐ5歳になるのに、オムツがボタボタで尿量が少なくなる気配なんて全くない…と思いかかりつけの病院で診てもらうことになりました。

4歳後半で病院に行って相談してみた

よく病院のポスターなどで「5歳になってもおねしょが月に1回、3か月以上続くのであれば…」という表現がありますが、我が子なんて毎日ボタボタです!という感じでした。もう数か月で5歳なのに大丈夫なのかと5歳になる前に病院へ行きました。
かかりつけの先生としては今できることは生活習慣見直してね~(塩味の濃いものは避ける、眠前の飲水量は少なめに、生活リズムを整える)という指導でした。パンフレットをもらったのですが、特に改善できそうなところは見当たらず(我が家の食事は薄味で、眠前の飲水量も少なめだったので)、5歳になって様子見たらいいかぁと思っていました。

5歳になっても変わらないオムツのボタボタ

5歳になり様子を見ていましたが、ほとんど夜のオムツに排尿していなかったことはなく(3度ほどあったけれど)、引っ越ししてかかりつけ医が変わったのでその先生に聞いてみるも、前回と同様な助言でした。「何かを機に本人が困ることが出てきて必要になったら治療すればいい」という意見でした。保育園看護師をしていた時に、お泊り保育で調査していると、たいていクラスに2,3人は「夜尿があるので夜間はオムツを希望」という子はいたので、上の子もそのタイプか~っと思いながら過ごしていたのですが、なんと下の子が上の子へ、夜尿に関する指摘が始まりました。

下の子からの指摘を機に、病院へ通院することに

3歳になった下の子が、だんだん成長するとともに上の子に向かって「まだ夜にオムツはいてるの?」「オムツしてるならお兄ちゃんじゃないね」とマウントを取ってきました。フォローを上手くできず、上の子はその指摘をされるのが嫌だと半泣き状態に。上の子へ「おねしょ治せるように病院へ行く?」と聞くと「行きたい」と答えたので、病院へ行くことになりました。

かかりつけ医はとても親身になって話を聞いてくれるので、「5歳なので生活習慣整えるのはわかっているが、それでも夜尿があり、下の子から指摘されて本人が辛そう、親も見ていて辛い。本人が治療したいと言っている」と伝えたところ、まず尿検査からして、夜の尿量・膀胱に貯めれる尿量を調べましょうと言われました。

尿検査は問題なく、膀胱に貯めれる量としては80mlほど(尿意があれば少し我慢できるところまでさせて、それから排尿させる)、オムツの重量や朝一番の尿量を測定し、夜間尿量はおおよそ100~200mlのあたり、夜間の排尿回数は1~3回ほどだなというのがわかりました。

抗コリン薬の治療を選択した

上記の検査から、膀胱に貯めれる尿量が少ないという話になりました。効果のある抗利尿ホルモンの薬は6歳からじゃないと使用できないと説明を受け、そこでいくつか治療法を提案されました。

  • 抗コリン薬(膀胱を広げる薬)
  • アラーム療法(尿を感知するセンサーの機械を付けて夜間に起きてトイレへ行く)

提案されたのが上記の2つです。2つ目の機械は尿を感知すると夜中に大きいアラームが鳴るので家族の睡眠を妨げると言われ、仕事をしている身としてはそれは厳しい…ということで、抗コリン薬の治療を選択しました。

薬をもらうと、半分の錠剤…まだ錠剤を飲めない上の子は、ポリポリと噛んで内服していました。でもこの薬、苦いので、子どもにはあまり好まれない薬です…。それでも飲むといって毎日内服していました。

ちなみに錠剤に関しては、市販で売っているパックに入ったコーンスープで飲むと、トロっとしていてそのまま錠剤をゴックンできると上の子が言っていました。

抗コリン薬を内服していた経過

抗コリン薬を2か月間内服していました。正直言ってそんな効果あるかな…というくらいのオムツはボトボト感でしたが、本人は薬を飲んで頑張っていたので、精神的に安定もしており、下の子も頑張って薬を飲んでいるのをみて指摘することはなくなりました。抗利尿ホルモンの薬を内服したら、夜尿症も落ち着いてくるかな…と思っていた矢先、急に「お薬が苦いから飲みたくない」と言い出しました。正直あまり効果を感じていなかったのと、本人の意思がないのであれば、無理に飲ます必要もないかなと思い、主治医と相談し、止めることにしました。

抗コリン薬を中止し半年ほど経ち、6歳になったころ当たりに急におねしょが少なくなった

かかりつけ医の看護師さんには「抗利尿ホルモンの薬を飲んだら激変するから大丈夫よ!」と励まされたこともあり、6歳のお誕生日くらいに本人が悩んでいたら主治医へまた相談しようとのんびり過ごしていたら、6歳になったあたりにオムツが濡れていない日がちょこちょこ出てくるようになりました。最初は週に2日ほどオムツが濡れておらずカラカラの状態でしたが、少しずつそれが増えてきて週に3~4日ほどにまで増えました。そこから1か月間は、夜尿が連続で続くこともあれば、夜尿がない日が続いたり、また夜尿が続き…という状態を繰り返していました。その時、本人へは「おやすみパンツ(オムツ)を履いていてもいいし、おにーちゃんパンツ(布パンツ)を履いてもいいし。どっちでもいいよ。おにーちゃんパンツだったら、防水シーツも敷いているからおしっこが出ても大丈夫だよ」と伝えて、不安そうだった上の子はオムツを選んでいました。その時に注意していたのは「布パンツへ移行するのは本人が希望したら」というところでした。親としては少し焦る気持ちがあるので、早く布パンツで寝てほしいな・・・と思いがちですが、親の意向でなく、子どもの意向で決めるのが良いと思います。

おねしょが減ってきて1か月ほどオムツで過ごしたのち・・・

おねしょが減りだして1か月ほどオムツで過ごしていると、オムツが濡れない状況が増え、その結果に対して上の子は自信を持てたようでした。ある日「おにーちゃんパンツ履いて寝る」と自ら言いだし、その日はおねしょをしていました。最初から失敗したので「やっぱりオムツで寝る」と言うかな?と思ったのですが、いつも「失敗は成功の元よ」と教えている甲斐があったのか、そのままオムツは使用せずに布パンツで過ごし、そのうち週に1回程のおねしょで治まってき、そこから数か月間は月に数回程度になりました。

おねしょに関しては、子どもがおねしょをしても保護者は「絶対に怒らない」で欲しいです。

布パンツに移行し、連続でおねしょをし、毎日シーツを選択するのはもちろんよくあり、子どもの寝相で防水シーツが剥がれマットレスまで濡れていたこともありました。それでも「怒らない」というのが大事です。怒ってしまうと子どもが自信を持てなくなります。頑張ろうとしている気持ちが後退してしまうこともありますし、子どもにとっておねしょしてしまうのはどうしようもないことなので、できるだけ怒らないで欲しいです。

夜尿がなくなる兆候が見られてから半年ほど経過し、ほぼおねしょをしなくなり、自分で夜間トイレへ行くようになった

おねしょがない日が出てきてから半年ほど経過すると、おねしょはほぼ無くなり、自分で起きてトイレへ行くようになりました。今となってはボトボトだったオムツが懐かしく思えます。ただ、外泊するときや、今日はものすごく疲れている日だな、という時は、念のためオムツを履かせる時もあります。オムツを履いているからと言って、おねしょはなく、自分でトイレに行ってます。

6歳まで様子を見る理由

結局我が子は抗利尿ホルモンのお薬は内服せずに経過したので、抗利尿ホルモンのお薬がどれだけ効果があるかは経験できませんでした。ただ、励ましてくれた看護師さんの話を聞いていると、とても効果があるのだろうなと思います。抗利尿ホルモンのお薬は6歳以上でないと処方できないこと、抗コリン薬は苦みがあり子どもの内服は難しいこと、夜間のアラームは保護者の睡眠を妨げ、かつ、費用が少しかかること、というところで、実際5歳になって受診してもあまり有効的な手立てはなさそうというのが、私の経験した感想でした。なので私としては、6歳になって本人が治療したいというのであれば、受診をしたらいいのではないかと思います。

トイトレもおねしょも、保護者の気持ちに余裕があるときに

「周りのみんながもうオムツ外れている」ということを聞くと、それを聞いた保護者は焦ります。でも焦る必要はありません。たいてい成長と共に外れていきますし、保護者が焦ったところで保護者が試行錯誤しても、子どもの体がついていかないと変わらないと思います。もし保護者がトイトレや夜の布パンツをさせたい!と思う時は、毎日ではなく「翌朝は家事を自分以外にできる人が居る時」や「明日は仕事休みだから」など、保護者にとって負担のかかりにくい日を選んでしてみてください。

子どもが自分から自信を持って、布パンツへ変わっていけたら嬉しいですね。

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