学校生活で子どもがサポートを受けれずに二次障害に…『ケーキの切れない非行少年たち』

私たち保健師は、小学校へ上がるまで、子どもを見守っています。小学校への入学は、どの保護者にとっても少し不安を抱えると思います。我が子が授業を座って聞けているか、小学校の生活についていけるか、友達や上級生とトラブルなく過ごせるか・・・など心配は尽きないものです。私たちは小学校や教育委員会への連絡も取ることもあり、以前ご一緒させていただいた小学校の先生との話の中で「読んでみて」と言われたのがこの本でした。


その先生とは支援学校や支援学級や通級指導教室に通う保護者の葛藤についての話をしていました。
保護者や場合によっては祖父母の方と話をしている中で、「うちの子は支援学級に行かせたくない。そんなところに行く子ではない。」というお話を聞くことがあります。昔の支援学級と今の支援学級は、違います。今の支援学級などへ通う子どもは、勉強についていくのが難しいという理由もあったりしますが、勉強はできるが環境を整えた方がいい、生活力を身に着ける必要がある、などの様々な理由で通っています。支援学級などにいい印象を持っていない保護者にしたら、私たち保健師などが支援学級などの紹介をするのは、余計なお節介に感じると思います。ただ、本当に子どもが必要な場合なのであれば、そのような子どもをサポートしてくれる場所があるということを、保護者の方には知っといていただいた方がいいと思っています。通常学級でスムーズに生活や勉強ができないと、先生や友人などから怒られたりし、そのことで疎外感を感じたり自信がなくなったり、心が傷つけられたり、相手を信じれなくなったりします。そのような経過をたどると、不登校になってしまったり、最悪な場合、非行に走ってしまうことがあります。

目次

なぜ子どもたちが非行に走ってしまうのか

この本は、非行に走ってしまった子どもたちを対応した児童精神科の先生が書いていらっしゃる本です。ケーキを三等分してといって、その子どもが描いたケーキの三等分の絵が表紙の絵です。非行に走ってしまった子どもが、なぜそのような子どもになってしまったのか、どのように関わっていけばよいかということが書かれています。

子どもが学校の生活を楽しく過ごせるように、サポートが必要な子はサポートを受けた方が良い

非行に走ってしまうのは、何かしら原因があり、そのようにならないように予防していくのが重要であると思います。苦手なことを強制するのではなく、どうしたら苦手なことをやりやすくできるか、苦手なことをスキップできないか等、色々な方法で子どもが学校生活を過ごしやすくしていく必要があります。それには保護者や周りの大人の理解が必要であるので、その子に必要なサポートは何か、サポートが必要であると言われているのに大人のプライドでそれを不要と判断していないか、少し客観視しながら向き合っていただけたらと思います。

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