子育て中に気持ちがしんどくなった時、心療内科や精神科はいつどのタイミングで受診したらいい?

子育てをしていると、気分が落ち込んだり、涙もろくなったりする時があると思います。今までそのような経験があった方も、無かった方も、環境によってそのような状況になることがあります。そんな時にふと思うのが、

心療内科や精神科に行った方が良いのかな…?

と思うことありませんか?今行かないといけない状況?どれくらいになったら行った方が良い?行くにはちょっと敷居が高いなぁ…と思う方は多いと思います。

目次

心療内科や精神科の扉を開くタイミング

自分がどれくらいしんどくなったら心療内科や精神科へ行った方が良いのか、迷いますよね。例えば

  • ふとした瞬間に涙が出てくる
  • 食事が摂取できない
  • 眠れない(入眠しづらかったり、途中で起きて眠れなくなる)
  • 希死念慮(死にたいと思う気持ち)が出てきている

という様子はもう受診の対象になるので、受診を勧めます。

心療内科や精神科は予約がしにくい

住んでいる地域によって変わるかもしれませんが、心療内科や精神科は、予約が必要なことが多く、特に患者さんが多い病院になると、初診で受診できる日が1か月後ということはよくあります(初診予約を取れない病院もまれにあるくらいです)。そうなってくると、早めに受診したくてもできないことがあるので、気持ちがしんどいなと思った時には念のため予約を取っておいた方が良いと思います。 

心療内科や精神科の受診をためらう時

心療内科や精神科の受診は、他の科に比べて受診するハードルが上がります。そのような場合は

  • 家族に一緒にそばにいてもらいながら予約し、受診について来てもらう
  • 妊娠中や産後であれば、産婦人科で相談してみる(必要であれば、医師が心療内科や精神科を紹介する)
  • 保健師に相談してみる

という感じで、心療内科や精神科の受診をためらう時は、そのような方法で対応してみてください。受診をためらうということは、誰にでもある感情なので、どうしようか迷ったときは身近な人に相談して、必要な時は背中を押してもらうことも必要かと思います。自分を客観視するのは難しい時もあるので、どうしようか迷うときは誰かに相談してみてください。

気持ちのしんどさって、みんな表出しているの?

気持ちのしんどさは、みなさん色んな機会に表出されています。勇気を出して電話をかけてきてくださる保護者の方もいれば、健診の時に話をしてくださる方もいます。市町村によって健診の問診票は若干違うのですが、「体調はどうですか?」「眠れていますか?」などの質問がある問診票があり、それを機に気持ちを表出してくださる方もいます。

逆に健診の時に問診でしんどさにチェックをしていても、話したくなさそうな保護者の方もいらっしゃるので、その場合は保護者を支えてくださっている方がそばに居るかだけ確認して、さっと話題を変えることもあります。話したくないのであれば話す必要はないです。

そして別に保健センターでなくても、保育園や幼稚園の先生にしんどさを聞いてもらっている方もいます。私もその保護者の一人でした。気持ちがしんどくなり、どん底だった時は涙が止まらず、「保育園のお迎えの時間なのですが、涙が止まらなくて…お迎えちょっと遅れても良いですか…」と電話をかけて、お迎えの時に先生が話を聞いてくださったり、体調不良で仕事を休んだ日に子どもも保育園をお休みしますと連絡した時は「お母さんゆっくり休んだ方が良いから、子ども登園させて」と声をかけていただいたこともあります。(※保育園に関しては、保育園の力量がそれぞれ違うので、こういった対応ができない保育園はもちろんあります。)

気持ちを表出するのは勇気が要りますが、サポートしてくれる方はどこかにいらっしゃるので、サポートが足りないときは、話せそうな誰かを見つけて、表出してみてください。

「まだ頑張れる」とは思わないで

責任感の強い方や、頑張り屋さんの方は、少々しんどくても「まだ大丈夫」「もっと頑張らなきゃ」と思うことは多いと思います。その気持ちは普段ならいいのですが、気持ちがしんどい時は自分を追い詰めてしまって心が折れてしまうと、回復するのに長い時間がかかります。しんどいなと思った時は、医療が必要であれば医療を受けながら、手放せる負荷は手放して、サポートを受けれるサービスを使いながら過ごしていただけたらと思っています。

「まだ頑張れる」と思っている方へ、そう思っている時点で、もうすでに頑張りつくしていると思います。自分が頑張らないといけない状況がたくさんあるとは思いますが、何か手を抜けるものがあるのであれば、少しでも手を抜いて負担を減らしていただけたらと思います。

子育てに携わる人でも子育てにしんどくなる

「子育て関係の仕事をしている人なら、子育てのプロだし大丈夫」と思いがちですが、我が子のことになると話は変わります。それは自分自身でも感じているのですが、それ以上に、身近な存在だった子育て関係の仕事をしていた方が子どもを残して自死されたことがあり、それを痛感しました。子育て関係の仕事をしているから大丈夫なわけではないですし、子育て関係の仕事をしているから完璧であるわけでもないですし、見本となって頑張らなければならないわけでもないです。どんな人でも今いる環境や自分自身の性格や過去の経験などでしんどくなりやすくなるのは当たり前です。職業や子どもの数や自分の両親がどこに住んでいるか等でしんどさを測るのではなく、自分の今の状況を見ることが大切です。どんな状況でも子育てはしんどくて当たり前なので、それを隠す必要もないですし、自分を責める必要もないです。

気持ちがしんどいけれど受診を迷う保護者には、私もしんどかったことを伝えている

気持ちがしんどいけれど、どうしていいかわからなかったり、受診にまでたどり着けない保護者の方に対しては、自分自身がしんどくなって心療内科・精神科を受診していたお話をしています。それを伝えることで、「この人も行ったことあるんだったら、行ってみようかな」と受診の契機になれば良いなと思っているからです。

私自身は、引っ越しを何度かしていたので、心療内科・精神科のクリニックは3カ所くらい、それぞれ半年ほど通院していました。病院によって雰囲気は様々で、明るい感じのクリニックもあれば、ちょっとモダンな感じのクリニックもあります。先生によっても話しやすさはバラバラで、保護者の方からも話は聞いたりしますが、ちょっと話しづらいなぁ…という先生も確かに居ました。その部分は受診して先生とお話をしてみないとわからない部分ではありますが、心療内科・精神科の場合は話しづらさがあったり合わないのであれば、複数の先生がいらっしゃる病院なら、担当の先生を変えてもらったりしてもらうのも一つかと思います。

私の場合は、気持ちの浮き沈みが激しくなり、涙が止まらないというのが、今まで3回ほどあり受診に至りました。1回目は一人目出産後に見知らぬ土地で育児のサポートが薄い中、外部からの攻撃でダメージを受けたときでした。2回目は第2子出産後の育児と仕事のストレスで出産後1年ほど経ったときでした。3回目は出産から3年ほど経った時に仕事のストレスと慣れない環境での育児と生活でしんどくなりました。3回目は本当に自分でも辛く、毎日出勤する時に漠然とした不安に煽られて泣きながら出勤し、仕事中にパソコンで仕事をしていると、何もないのにふと涙が出てきて、2回目の受診の際に出してもらっていた内服薬をデスクでこそっと飲み、涙を止めて気持ちを安定させているような状況でした。内服薬が底を尽きてきたときに、「この薬がないと仕事ができないのはおかしい状況」であることに気付き、受診をしました。その時は毎日泣いていた生活でした。子どもの前でも泣いていて、無気力になってしまった時は子どもの隣で横になっていたこともあります。病院だけでなく、周りのサポートをたくさんいただいて、なんとかここまで戻れて、今では自分に負荷をかけることはしない、人間関係に疲れたときは逃げる方法を習得し、以前に比べると気楽に生活ができるようになりました。ここまで来れたのは、本当に周りの方々の理解とサポートがあってこそだと思っています。

授乳中にお薬を飲むのが嫌、抵抗がある

「授乳中でお薬を飲むのが嫌」だったり「抵抗がある」という場合であれば、それを担当医に伝えると、授乳中でも大丈夫なお薬などを説明してもらえたり、症状によっては飲まずに様子を見ましょうという事もあるので、薬への抵抗で受診を控えるのではなく、その旨を伝えながら、じゃぁどうしていこうか?ということを先生と一緒に考えるのが大事かと思います。私も初めて受診したときは授乳中で、先生にその旨を伝えたことがあり、症状が軽かったので定期的に受診をしながら経過を見ていきましょうか~と定期的に受診をしていました。

家族には心療内科・精神科を受診していることを知られたくない

保護者の中には、「家族に知られたくない」という思いを持たれる方もいるかもしれません。私は初めて受診する時、夫に負担をかけたくなかったので、受診歴がばれないように自費診療で受診をしていました(後々受診したことは伝えました)。ただ、今考えるとそんなことしなくて良かったなと思います。家族としんどさを共有しなければ、根本的にしんどさは解決はされにくいと思うからです。しんどい当事者がどれだけ頑張っても、周りのサポートを受けなければ環境は改善しないですし、もし自分が逆の立場だったら、知っておきたいと思います。パートナーや実父母に迷惑がかかるかも…という思いはわかりますが、パートナーや実父母が自分に寄り添ってくれる方なのであれば、少し勇気は居ると思いますが、伝えていただけたら相手も安心するかと思います。

家族が受診を止めてくる

意外とあるのが、しんどい状況の保護者に対して、パートナーや親などが「そんなところに行かなくていい」と心療内科や精神科への受診を制止することです。心療内科や精神科への色々な思いがあるのだとは思います。受診せずになんとか回復できたらそれはそれでいいのですが、そうはいかないこともあります。受診控えをすることで症状が悪化してしまい、子育てはもちろん、生活自体ができなくなることもあるので、必要なときは一度受診をしてみて、継続的な受診が必要ないのであればそれはそれでいいですし、定期的な受診が必要なのであれば、主治医の意見を聞きながら受診を継続していただけたらと思います。心療内科や精神科へ行ったことが無いと、なんとなく負のイメージを持たれるかもしれませんが、意外と皆さん受診しています。生きていると何かしら壁にぶつかることはよくありますし、3回の受診を経て私が思うのは、もう少し心療内科や精神科が身近な存在であればなと思います。

育児をしてる世代だけでなく若い方も、自分を追い詰めない、頑張りすぎないということを常に思いながら、過ごしていただけたらと思います。

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