乳幼児健診をしていると、このような質問があります。
夫婦で意見が合わないんです。パートナーが子どもに対して厳しくて、ダメなことをすると怒鳴ったり、手を出したりします。でも自分の意見としては、怒鳴ったり叩いたりしたからって変わらないと思うんですけど…
そうですね。怒鳴ったり、叩いたりするのは良くないですね…。パートナーの方はなぜそのような方法を取ろうとするのですか?
親としての威厳を示しているんだと。優しく言ったらそれだけ子どもにナメられてしまうと言うんです。しかも社会は厳しいから、優しく育ててしまうと厳しい社会で生き残れないと言うんです。
このような質問は案外多く、夫婦でそれぞれ育ってきた環境が違うというところで、考えが違ってきます。
子どもへ怒鳴ったり手を出したりするのは、子どもへ悪影響がある
以前マルトリートメントという「大人が子どもに接する際に、なるべく避けてほしい関りについて」について記事にしました。
体罰はもちろん、怒鳴るということも子どもの脳には悪影響があり、子どもが大人になった際に心のトラブルに繋がることがあります。なので、子どもを制止する、叱る際には、そのような手段を取るのはやめた方が良いです。
そもそも怒鳴られたり叩かれたりして注意されても、本質的な解決にはならない
してはいけないことを子どもがして、保護者が感情的に怒鳴ったり叩いたりしたとします。すると子どもの中では「怒られるのが怖いから〇〇するのをやめよう」「叩かれるのが嫌だから〇〇するのを我慢しよう」と、違う解釈に至ります。本来ならば、してはならないことだから自分の気持ちに制止をかけて止めるはずであるところを、止める理由が保護者に向いてしまうことになります。
じゃぁ保護者が居なければやっても良いのか?、ということになりかねないので、そういった面でもその方法は取らない方が良いと思います。
優しい家庭で育つと、社会で生きていけないのか
ここら辺に関しては、私は幼少期に面前DV等を受けて生きてきた人間なので、感覚がわかりませんでした。一つ言えることは、「暴力や暴言がある生活で育つと、厳しい社会の中で、暴言を吐くような人と関わった際に、自分のメンタルがひどく傷ついてしんどくなってしまう」ということです。自分の経験もあるので、我が子には手を出さないことはもちろん、怒鳴ることもしないように気を付けています。
そんな中、ある日SNSでこのような投稿を見つけました。
感情的に声を荒げたりしない両親に優しく育てられた皆様にお聞きしたい!家庭外(学校や社会)で投げつけられる強めのコミュニケーションに、どのように耐性を身につけたのでしょうか!そもそも学校や社会が辛かったかも知りたい
— はやおき (@hy__ok) October 23, 2024
この投稿を見た際に、とても気になりました。このような方々の反応ってどんな感じなのだろうかと。
その反応がこのような感じでした。
私の両親も大変穏やかです。外で強めの言葉に合うと「これは相手が変なんだな。これで私が気に病む時間がもったいない」とスルーできます。あと、嫌な目にあった分家でのんびりしたり、美味しいものを食べたりと、自分が楽しく&元気になる方法たくさん知っているのでリフレッシュしながら過ごします。
— ミナト (@yUTsk19GVSZ6fpd) October 23, 2024
このような感じで、「厳しい言葉で接してくる人は、変なんだな」と感じる人が多くて、目から鱗でした。もちろん中には耐性が弱くて…という方もいらっしゃるとは思いますが、このような感じで過ごしていらっしゃる方が多いのを見て、驚きました。確かに私の夫は穏やかな家庭育ちで、厳しい言葉で接してくる方に対しては、感情を露にせず、淡々と対応しているのを見ると、子どもに接する態度は大切なんだなと思います。
育児をしながら夫婦関係を保つのはとても難しい
育児は本当に保護者にとって大変なことで、それに加え夫婦関係というのを良好に保つのもとても大変なことです。育ってきた環境が違う中での育児なので、意見の相違で揉めることもあります。冷静になって話をできるのであれば良いのですが、そうはいかないこともあると思います。特に気になるのは、専業主婦(夫)の方が夫婦間の意見の相違に対してずっとモヤモヤして、育児がしんどくなってしまったり、子どもに当たってしまったり、自分を傷つけてしまう事です。健診や保健センターでは、そのような相談も聞いているので、自分が悪かったのかな?パートナーのこんな意見って本当に合っているの?とモヤモヤしている時は、健診でお話したり、保健センターに電話をかけたり、ママ友に聞いてもらったりしてみてください。
夫婦間で意見が割れてしまうことは当たり前なので、それをどこまで共感できるか、歩み寄れるか、修正しなければならないのか、というところで相手に対する対応も変わってきます。自分一人で抱え込まずに、是非相談してくださいね。
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